こんにちは、Michael Zhangです。文化と歴史をこよなく愛する旅人として、これまでに数十カ国を巡り、中国の歴史的名所も数多く訪れてきました。今回は、北京市郊外にある長城の中でも特に壮観で、じっくりと巡る価値がある「慕田峪長城」をご紹介します。本気で万里の長城を深く味わいたい方に向けて、専門的で実用的なガイドをお届けします。



慕田峪長城の基本情報

「万里の長城、慕田峪に勝るなし」と称される慕田峪長城は、全長5400メートルを誇り、中国で最も長い長城の一つです。明代に築かれた長城の中でも特に精華とされ、東は古北口、西は居庸関に接し、古来より北京を守る重要な軍事拠点でした。正関台、大角楼、鷹飛倒仰といった特徴的な見どころがあり、城壁の保存状態も非常によく、古き長城の趣を今に伝えています。文化的・歴史的価値が極めて高く、中国国家AAAAA級観光地に指定され、1987年にはユネスコ世界文化遺産にも登録されました。

  • 住所:北京市懐柔区渤海鎮慕田峪村(Appleマップ / Amap
  • 営業時間:
    • オフシーズン(11月16日〜翌年3月15日):毎日 8:00〜17:30(最終入場 16:30)
    • ハイシーズン(3月16日〜11月15日):平日 7:30〜18:00(最終入場 15:00)、土日 7:30〜18:30(最終入場 18:00)
  • 所要観光時間:5~6時間
  • ベストシーズン:四季折々楽しめます
  • チケット料金:40元(CNY)
  • チケット購入:Trip.com割引Klook特価
緑豊かな夏の慕田峪長城の全景

慕田峪長城マップ

慕田峪長城の詳細ルートマップと敵楼番号

みんなが慕田峪長城に行きたがる理由って?

自然の風景がとてもユニーク

慕田峪長城は山の地形に沿って築かれており、両側にそびえる7~8メートルの花崗岩の石壁と、90%以上の森林被覆率が特徴です。四季それぞれに美しい表情を見せ、とりわけ夏と秋には息を呑むほどの絶景が広がります。この自然のままの風景美が、他の長城区間とは一線を画しています。

深い歴史的価値と文化的魅力

この長城は明代の重要な軍事防衛ラインの一つであり、非常に良好な保存状態を誇ります。ひとつひとつの石や楼閣が、歴史の重みを物語ります。訪れる人々は、ガイドの解説を聞きながら知られざる逸話に触れ、古代の知恵や勇気に心を動かされることでしょう。また、両側に防御用の垛口を備える設計や、馬の進入を防ぐ「馬止め溝」など、古代中国の建築技術の高さも実感できます。


慕田峪長城でできること・見どころガイド

主要スポット

「長城に登らずして英雄にあらず」の石碑

14号楼にある「好漢碑」は、慕田峪長城でも屈指のフォトスポット。1935年に毛沢東が詠んだ「不到長城非好漢(長城に登らずして好漢にあらず)」の言葉が刻まれています。この言葉は多くの中国人にとって心の座右の銘であり、文化的象徴でもあります。登城は肉体的な挑戦であると同時に、精神的な巡礼でもあるのです。

慕田峪長城にある毛沢東の名言石碑

好漢坂(ハオハンポー)

19号楼から20号楼の間に位置するこのエリアは、慕田峪長城で最も急勾配のある区間として知られています。最大傾斜はおよそ70度にも達し、登り切るには相当な体力と気力が必要です。そのため、多くの観光客がこの坂を登りきることを自らの挑戦とし、「真の自分を証明する場」として位置づけています。

慕田峪長城で最も急な英雄スロープ階段

滑り台(スライダー)

山頂から滑り降りる全長約1.6kmの滑り台(トボガン)は、慕田峪長城の人気アクティビティです。周囲の森林や城壁の美しい景色を一望しながらスリルを味わえる唯一無二の体験です。ルールとしては、10歳未満の子どもは大人の同伴が必要で、60歳以上の高齢者は利用できません。雨天時には運行停止となるため、当日の天候にもご注意ください。

慕田峪長城のスリル満点な滑り台

慕田峪長城のチケット完全ガイド

慕田峪長城のチケットにはさまざまな種類があります。入場券のほか、ロープウェイ、シャトルバス、リフト、スライダー用のチケットなどがあり、初めて訪れる方には少々わかりづらいかもしれません。ここでは詳しいチケット情報とおすすめの選び方をご紹介します。

  • 入場券:通常の入場券(40元)と、記念ポストカード付き入場券(45元)の2種類があります。どちらも景区への入場が可能ですが、ほとんどの人は5元差で記念ポストカード付きチケットを購入します。ポストカードを別で買っても同じくらいの価格、もしくはそれ以上するため、こちらがおすすめです。
  • シャトルバス券:往復15元。ほぼ必須です。観光バスでロープウェイ乗り場近くまで行かない限り、入場ゲートからチケットチェックエリアまで約6kmあり、歩く価値はありません。景色も特にないため、時間節約のために購入を推奨します。
  • ロープウェイ券:片道100元。多くの観光客は片道だけを利用するため、現地で体力に応じて決めるのがベストです。
  • リフト券:片道100元。ロープウェイとは別ルートになります。座席は開放式で、速度もやや速め。現地でルートを見てから選べます。
  • スライダー券:片道100元。山の上から滑り降りるアクティビティで、現地で購入します。非常に人気で行列必至ですが、外せない体験です。

慕田峪長城のチケット料金表

  • 入場時間帯:午前(08:30〜12:00)、午後(12:00〜17:00)の2つに分かれています。
  • チケット種別:記念ポストカード付きチケット
  • 大人:45元
  • 学生:25元(大学学部生以下対象)
  • 高齢者:25元(60歳以上)
  • 無料:18歳未満の子供
慕田峪長城のポストカード型入場券と地図

チケット購入方法

  • オンライン:公式WeChatアカウント、公式サイト、または各種予約サイトにて購入可能。
  • 現地購入:慕田峪長城のチケット売り場にて直接購入。ただし、事前予約で割引がある場合も多く、当日の混雑を避けるためにもオンライン購入が推奨されます。

慕田峪長城のおすすめ見学ルート

慕田峪長城には1号〜20号の敵楼(見張り台)があり、東・中央・西の3つのエリアに分かれています。特に西側は見どころが集中しており、外せないエリアです。全区間を歩くのが理想ですが、体力や時間に応じてプランを選びましょう。

  • 東側(1〜6号楼):景色は西側よりやや控えめ。1号楼「大角楼」は三つの区間の接続ポイント、4号楼の「正関台」は空洞構造で建築的にユニーク。索道の乗り場もこのエリアにあります。
  • 中央(6〜14号楼):全体的に傾斜が緩く、階段も少なめ。景観は控えめですが、特に秋には紅葉が美しくなるとの評判です。
  • 西側(14〜20号楼):このエリアは景色が素晴らしく、見どころも集中しています。14号楼には「長城に登らずして好漢にあらず」の石碑があり、19〜20号楼には有名な「好漢坂」があります。20号楼の「英雄台」も見逃せません。

おすすめルート

  • 東・中央・西 全部見るコース:自由旅行者におすすめ。北側ゲートからロープウェイで14号楼へ→20号楼まで登る→折り返して6号楼まで下る→スライダーで下山。景色もアクティビティも一通り体験できるルートで、所要時間は5〜6時間、体力はそれなりに必要です。
  • 西側だけ見るコース:体力に自信がない方や、お子さま・高齢者連れの方に最適。ロープウェイで14号楼へ→20号楼まで→14号楼に戻る→ロープウェイで下山。主要な観光ポイントが集まり、短時間でも充実感が得られます。

慕田峪長城周辺のおすすめグルメ

餡老満(慕田峪店)

慕田峪近くの餃子専門店 馅老満の水餃子
  • おすすめポイント:餃子、餡餅、胡辣湯がメインで、特に「サワラとニラの餃子」はぜひ試してほしい一品です。
  • 住所:北京市懐柔区辛桃路と懐黄路の交差点東320メートル(Appleマップ / Amap
  • 業時間:月〜日 09:00〜18:00
  • 平均予算:約53元

バーガーキング(慕田峪長城店)

慕田峪長城近くのバーガーキングのハンバーガー
  • おすすめポイント:誰もが知る人気チェーン。ハンバーガーとフライドポテトでサクッと腹ごしらえできます。
  • 住所:北京市懐柔区慕田峪環状道路北側 慕田峪総合サービス区B3-C(Appleマップ / Amap
  • 業時間:月〜日 08:00〜18:00
  • 平均予算:約42元

魚師傅(ユィシーフ)

慕田峪近くの魚師傅レストランの焼き魚料理
  • おすすめポイント:落ち着いた食事を楽しみたいならココ。おすすめメニューは、酥魚頭(カリカリ魚頭)、醬魚骨(魚の骨の煮付け)、炸魚排(フライドフィッシュ)など。距離があるため、市内からチャーター車で訪れる方におすすめです。
  • 住所:北京市懐柔区懐黄路 苇店村9号(Appleマップ / Amap
  • 業時間:月〜日 09:00〜21:00
  • 平均予算:約92元

慕田峪長城周辺のおすすめホテル

北京慕田峪長城ホテル

北京慕田峪長城ホテル
  • アクセス:慕田峪長城の入口から徒歩5分
  • 参考価格:736元(CNY)
  • 予約サイトTrip.com特別価格
  • 評価:Trip評価 9.4点
  • 特別対応:3人部屋、親子向け部屋

長城のふもとに位置し、ロープウェイ、スライダー、リフトの乗り場が目の前にある抜群の立地。子連れで長城を訪れるなら最適の宿泊先。

客室はとても清潔で、設備も充実。ホテル外のキッズスペースも魅力的です。

フローラル ラックス·北京懐柔蘭亭温泉リゾートホテル(慕田峪長城店)

フローラル ラックス·北京懐柔蘭亭温泉リゾートホテル(慕田峪長城店)
  • アクセス:慕田峪長城の入口から徒歩5分
  • 参考価格:820元(CNY)
  • 予約サイトTrip.com特別価格
  • 評価:Trip評価 9.3点
  • 特別対応:子ども用遊具、3人部屋、4人部屋、8人部屋

ホテルは長城のすぐ向かいにあり、前泊すれば朝一番で混雑を避けて登ることが可能。

清潔感のある部屋と細部までこだわった内装が好印象。朝食はバリエーション豊富で、地元グルメも洋食も本格的に楽しめます。


北京市内から慕田峪長城へのアクセス方法

慕田峪長城へは、多くの旅行者が観光バスを利用しています。料金も手頃で、市中心部から直接乗車可能です。複数人で移動する場合は、時間に融通の利く配車アプリ(網約車)もおすすめです。子連れや高齢者同行の場合にも便利です。

バス(路線バス)

東直門から916路バスに乗車し、「懐柔北大街」バス停で下車。その後、H7 / H23 / H24 / H35 / H36系統のバスに乗り換えて慕田峪長城まで向かいます。料金は約19元、所要時間は約2時間30分。最も安価な手段です。

観光バス

前門大街で乗車・下車可能。現地でチケットを購入し、バスは直接慕田峪長城のチケットゲートまで直行します。往復で80元。なお、この観光バスを利用すればシャトルバス(往復15元)は不要です。所要時間は約1時間30分。車内ではチケットも販売されているので、事前購入している方は購入不要です。

  • 乗車場所:北京市東城区 正陽門箭楼 南門 西50メートル(Appleマップ / Amap
  • 運行時間:往路 08:00〜10:00、復路 13:00〜16:00

網約車(配車アプリ)

北京市内から慕田峪長城までの片道で、早朝は約180元、午後は約230元、往復で合計400〜450元が目安。所要時間は約1時間20分。ホテルから直接出発でき、スケジュールに柔軟に対応できる最も快適な方法です。北京市内は車両が豊富で、配車に困ることはありません。

チャーター車(貸切車)

往復500〜700元が相場で、今回ご紹介する中では最も高額ですが、快適さと自由度は抜群。家族連れや高齢者との旅行に最適です。また、日帰りツアーのプランも人気で、市内で集合して慕田峪長城を往復する形式です。ガイド付きのプランもあり、料金は通常120元/人ほどです。


北京首都国際空港から慕田峪長城への行き方

北京首都空港から慕田峪長城へは直行便がなく、最もおすすめの手段はタクシーまたは配車アプリです。空港は北京市中心部と慕田峪の中間に位置しており、距離も比較的バランスが取れています。

タクシー・網約車

首都空港からタクシーや配車アプリで直行するのがもっとも便利です。片道220〜300元、所要時間は約1時間30分。

地下鉄+観光バス

首都空港から首都空港線で東直門駅へ。2号線に乗り換えて前門駅で下車(費用29元)。前門大街から観光バスに乗車し、慕田峪長城のゲート前まで直行。バス代は往復80元。シャトルバス(15元)も不要です。観光バス車内でも入場券販売がありますが、既に購入済みの方は重複購入の必要はありません。

  • 乗車場所:北京市東城区 正陽門箭楼 南門 西50メートル(Appleマップ / Amap
  • 運行時間:往路 08:00〜10:00、復路 13:00〜16:00

空港バス+観光バス

首都空港から空港バス(北京西客站線)に乗車し、前門東で下車(30元)。前門大街から観光バスに乗り継ぎます。バスは慕田峪長城のゲートまで直通し、往復で80元。シャトルバス(15元)も不要です。観光バス車内で入場券が販売されますが、すでに持っていれば購入不要です。

  • 乗車場所:同上(正陽門箭楼南門西50メートル)

北京大興国際空港から慕田峪長城への行き方

大興空港からも直通便はなく、最もおすすめの方法は地下鉄で北京市内に出てから観光バスを利用するルートです。

地下鉄+観光バス

大興空港から「大興空港線」で草橋駅へ→「19号線」で景風門駅→「14号線」で永定門外駅→「8号線」で前門駅にて下車(合計費用約39元)。その後、前門大街から観光バスに乗り換え、慕田峪長城へ直行。観光バス代は往復80元。シャトルバス(15元)は不要。観光バス車内でも入場券販売あり。

  • 乗車場所:北京市東城区 正陽門箭楼 南門 西50メートル(Appleマップ / Amap
  • 運行時間:往路 08:00〜10:00、復路 13:00〜16:00

よくある質問

慕田峪長城はベビーカーや車椅子の利用に適していますか?

適していません。登城ルートは階段や傾斜が多く、バリアフリー設備も整っていないため、ベビーカーや車椅子の使用は困難です。

荷物はどこで預けられますか?

慕田峪長城のカスタマーサービスセンター(案内所)には無料の荷物預かり所が多数設置されています。大型のスーツケースにも対応しており、とても便利です。