Hello、私は Michael Zhang。世界中を旅してきた中国出身のトラベラーです。長年にわたり、さまざまな国で数え切れないほどの名山に登り、中国の大地でも文明の源を感じさせる場所を訪ね歩いてきました。嵩山(ソンシャン)は、その中でも「中国の山岳文化の精髓」を最も体現している山だと思っています。ここは壮大な自然の景観にとどまらず、生きた歴史そのものでもあります。登るたびに、古人との対話をしているようであり、自分自身と自然が一体になる感覚を覚えます。この記事では、文化、地理、そして実用的な旅行情報を交えながら、中岳(ちゅうがく)・嵩山の持つ唯一無二の魅力を詳しく紹介します。
目次
嵩山(ソンシャン)について
嵩山は、中国五岳の一つで「中岳(ちゅうがく)」とも呼ばれています。他の四つは泰山、華山、恒山、衡山です。歴代の皇帝や文人、僧侶、そして武術家たちがこの地を訪れ、多くの文化遺産を残してきました。嵩山の主な山系は太室山と少室山(有名な少林寺はここにあります)。嵩山には72の峰があり、太室山と少室山がそれぞれ36峰ずつを占めています。主峰は峻極峰(しゅんきょくほう)で、標高は1,491.73メートルです。嵩山は嵩山風景名勝区の中にあり、景区は少林寺、嵩陽(ソンヨウ)、中岳の三つに分かれています。そのうち、少林景区は中国国家5A級、嵩陽と中岳の景区は4A級に指定されています。登山をする場合は、嵩陽景区(地元では太室山と呼ばれています)へ行くのが一般的です。
- 住所:河南省鄭州市登封市中岳大街146号 (Appleマップ/Amap)
- 開放時間:景区内の主なスポットは8:00〜16:30まで
- VRでの景区体験:クリックして体験
- 観光の目安時間:5〜8時間
- ベストシーズン:一年中(冬は登山に約8時間かかりますが、雪に覆われた峰々の美しい風景が見られます)
- チケット料金:嵩陽景区登山共通チケット 79.9 CNY
- チケット購入:Trip.com割引

嵩山(ソンシャン)地図
以下は少林景区と嵩陽景区の案内図です。


みんなが嵩山に行きたがる理由って?
深い文化的背景
嵩山には中国最古のレンガ造りの塔である嵩岳寺塔(北魏時代に建立)や、「漢三闕(太室闕・少室闕・啟母闕)」と呼ばれる古代遺跡があります。これらはすべて国家重点文化財に指定されており、古代中国の生活や歴史の変遷を今に伝えています。
三つの宗教が共存する聖地
ここには仏教の少林寺(現存する中国最大の仏教寺院)、道教の中岳廟、儒教の嵩陽書院が共存しています。朝夕に響く鐘の音やお香の香り、学問の声が千年にわたり交わり合い、独特の文化的景観を形成しています。
雄大で変化に富む自然景観
少林景区にある三皇寨は険しい地形で有名で、特に10月の紅葉シーズンには山全体が赤く染まります。太室山の主峰「峻極峰(1,491.73m)」では、登山ルートを通じて古跡と自然の両方を体感できます。歴史好きにもアウトドア派にもおすすめの場所です。
嵩山(ソンシャン)で必ず訪れたい名所
主な観光スポット
嵩山には三つのエリアがあります。少林景区、嵩陽景区、そして中岳景区です。
少林寺
少林寺は嵩山で最も象徴的な観光スポットであり、中国、さらには世界の仏教文化を代表する存在です。北魏の太和十九年(495年)に建立され、1500年以上の歴史を誇ります。寺は少室山のふもとにあり、松林に囲まれた静かな環境が広がっています。ここは禅宗の発祥地であり、中国武術「少林功夫」の象徴でもあります。大雄宝殿、常住院、立雪亭などの歴史ある建築群を巡り、実際の少林武僧による迫力ある演武を間近で見ることもできます。

三皇寨
少林景区の奥深くに位置する三皇寨は、「嵩山で最も険しい場所」として知られています。山頂に登ると少林寺全体を見下ろすことができ、雲海と山々の連なりが幻想的です。「三皇」とは伏羲、神農、黄帝を指し、かつてここは古代の祭祀の地と伝えられています。現在は登山ルートに栈道や吊り橋が整備されており、奇岩や松林が続く道中では、嵩山の自然の美しさと雄大さを肌で感じられます。多くの写真家や登山愛好者が「必ず訪れるべき場所」として挙げています。

嵩陽書院
嵩陽書院は嵩陽景区にあり、中国四大書院のひとつとして有名です。岳麓書院、白鹿洞書院、応天書院と並び、北魏時代に創建され、唐・宋の時代に最盛期を迎えました。理学の大家・程頤や程顥もここで講義を行いました。書院の中には樹齢二千年を超える「漢柏」があり、「嵩陽三絶」の一つに数えられています。儒学の精神が息づく静寂の中に立つと、まるで古代の学者の声が今も響いているかのような感覚になります。歴史や文化に興味のある旅行者にとって、ここは嵩山で外せない精神的ランドマークです。

太室山(峻極峰)
太室山は嵩山の主峰で、「峻極峰(しゅんきょくほう)」とも呼ばれます。標高1,491.73メートル、「天下の中心」と称されるほどの雄大さを誇ります。岩壁は切り立ち、古くから登高の名所とされてきました。登頂ルートは嵩陽景区から始まり、全行程は約4〜6時間。山上には中岳廟の祭祀跡や古代の石刻が残されています。峻極峰の頂上に立つと、登封の街並みと連なる山々が一望でき、朝登れば雲海と日の出の絶景に出会えます。登山や写真撮影が好きな人には、一生に一度の体験になるでしょう。

嵩岳寺塔
嵩岳寺塔は嵩陽景区内にあり、中国最古のレンガ造りの塔の一つです。北魏の孝文帝の時代に建てられ、約1500年の歴史を持ちます。高さ40メートル超、十三層の密檐構造が特徴で、重厚で荘厳な姿が印象的です。中国初期の仏塔建築の代表作として知られ、ユネスコの世界文化遺産にも登録されています。塔の上からは嵩山の峰々をぐるりと見渡すことができ、その壮観な眺めはまさに嵩山文化と建築美の融合といえるでしょう。

中岳廟
中岳廟は中岳景区にあり、「中岳大帝」を祀る古い廟です。秦・漢の時代に創建され、現存する建物の多くは明・清時代に改修されたものです。敷地面積は約10万平方メートルに及び、「北の小故宮」とも称されるほど壮麗です。歴史的には皇帝が岳を祀る儀式を行った場所であり、多くの碑文や彩色壁画が残されています。赤い壁と金色の瓦、古柏が立ち並ぶ荘厳な雰囲気の中で、古代中国の山岳信仰の深さを実感できます。

嵩山チケットガイド
嵩山風景区は主に嵩陽景区(太室山)と少林寺景区(少室山)に分かれています。少林寺を訪れる場合は少林景区のチケットを、登山を楽しみたい場合は嵩陽景区のチケットを購入します。両方行くなら、共通チケット(聯票)がおすすめです。
嵩陽景区 共通チケット料金
- 含まれる内容:嵩陽書院、法王寺、嵩岳寺塔、老君洞、太室山
- 有効期間:2日間
- 大人:79.9 CNY
- 子ども:40 CNY(18歳未満かつ身長1.4m以上)
- 無料:60歳以上の高齢者、身長1.4m未満の子ども
少林景区 チケット料金
- 含まれる内容:少林寺常住院、塔林、三皇寨、初祖庵、二祖庵、達磨洞、嵩山少林武術館
- 有効期間:1回(再入場する場合は再購入が必要)
- 大人:80 CNY
- 子ども:40 CNY(18歳未満かつ身長1.4m以上)
- 無料:60歳以上の高齢者、身長1.4m未満の子ども
チケット購入方法
- オンライン:WeChatミニプログラム「漫游嵩山」またはオンライン旅行予約サイトで購入可能
- チケット購入:Trip.com割引
- 現地購入:景区のチケット売り場にて
おすすめの嵩山(ソンシャン)観光ルート
少林寺のルートは比較的シンプルで、主要な見どころはすべて寺院内にあります。案内標識に従って歩けば迷うことはありません。少室山の登山ルートはいくつかあり、以下のルートが特におすすめです。最も多くの観光客が利用しているのは「ルート1」です。
- ルート1:游客中心(ビジターセンター)→ 嵩陽書院 → 太室山広場 → 峻極峰登頂 → 元の道で下山(所要時間:約4時間)
- ルート2:游客中心 → 景区観光電車で太室山広場へ → 峻極峰登頂 → 元の道で下山(所要時間:約3時間)
- ルート3:游客中心 → 景区観光電車で太室山広場へ → 峻極峰登頂 → 一線天 → 盧崖瀑布を経て下山(所要時間:約6時間)
嵩山(ソンシャン)周辺のおすすめグルメ
登山を始めると山中にはレストランがありませんが、途中に軽食を売る屋台があります。水(1本8CNY)やパン、焼きソーセージなどを購入できます。しっかり食事をしたい場合は、山のふもとのビジターセンター付近で食事をとるのがおすすめです。また、少林寺では精進料理(豆腐、タロイモ、さまざまな野菜の炒め物)が提供されています。訪れる際はぜひ味わってみてください。提供時間は12:00〜14:30、料金は50CNYです。

鄭州市内から嵩山への行き方
もっともおすすめなのは観光バスで嵩山へ行く方法です。多くの観光客が利用しており、便数も多く、コスパが非常に高いです。
地下鉄+観光バス
市中心部から地下鉄10号線に乗り、鄭州駅まで行きます。その後、駅東口広場向かいにある「鄭州中心バスターミナル」から専用観光バスに乗車します。注意点として、嵩陽景区行きと少林景区行きのバスは異なります。少林寺方面は「少林寺行き」、嵩陽景区方面は「登封嵩山行き」のチケットを購入してください。
- 出発時間:07:00、08:00、08:50、09:40、11:00
- 所要時間:約120分
- 料金:少林寺行き30CNY、嵩陽景区行き25CNY
タクシー/ライドシェア
鄭州から嵩山までは距離があるため、タクシーを利用すると料金が高くなります。さらにドライバーの帰りの料金として80〜100CNYを追加で支払う必要があります。料金交渉も必要なため、快適とは言えません。もし直接移動したい場合は、チャーター車を利用するのがおすすめです。1日約400CNYほどで、サービスも快適です。
新鄭国際空港から嵩山への行き方
新鄭空港から嵩山までは直通の公共交通機関がありません。まず空港バスで市内に行き、そこから観光バスに乗り換える必要があります。
空港バス+観光バス
新鄭空港から「空港3号線バス」に乗り、鄭州駅東広場へ向かいます。約1時間ごとに運行しており、所要時間は約40分、料金は20CNYです。その後、駅東広場向かいの鄭州中心バスターミナルから観光バスに乗車します。出発時刻は07:00、08:00、08:50、09:40、11:00で、所要時間は約90分、料金は28CNYです。合計で約2時間10分、全体の費用はおよそ48CNYです。
洛陽市内から嵩山への行き方
洛陽市内からは、嵩山景区および少林寺へ直接行けるバスがあり、便数も多く料金も安いのが魅力です。
バス
洛陽汽車駅または洛陽龍門客運センターから、景区行きのバスに乗車します。少林寺へ行く場合は「少林寺行き」のチケットを購入し、料金は25CNYです。嵩陽景区に行く場合は、「登封」停留所までのバスに乗り(料金27CNY)、その後タクシーまたはライドシェアで嵩陽景区まで移動します。
- 道中で降りる場所を心配する必要はありません。乗務員が案内してくれるので、ほとんどの乗客が降りたタイミングで一緒に下車すれば大丈夫です。
よくある質問
おすすめできません。登山道が多く、ベビーカーや車椅子では移動が難しいです。
ビジターセンターで荷物を預けることができます。料金は1日15CNYで、預ける際に番号札が渡されます。小さな荷物なら太室山広場のコインロッカーにも預けられますが、混雑する時間帯は空きがないこともあります。
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