皆さん、こんにちは。私はマイケル・チャン(Michael Zhang)です。長年にわたって世界を旅してきた中国の旅人として、私はいつも、歴史と文化を本当の意味で理解できる場所を探しています。世界各地の博物館で、展示品を通してその都市の「魂」を読み取る方法を学びました。そして南京博物院は、まさに中国文明の流れに深く浸ることができる文化の殿堂です。この記事では、文化旅行者としての視点から、南京博物院の歴史、建築、展示の背後にある物語を紹介し、次に南京を訪れるとき、単に「展示を見る」だけではなく、「南京を読む」旅ができるようにしたいと思います。
目次
南京博物院の紹介
南京博物院は、総合的な歴史・芸術系博物館であり、南京市の市立博物館として、また国家重点博物館の一つとして知られています。その前身は建国初期に設立された南京市文物保管委員会です。南京博物院は、南京地域の地下遺跡や古墳の発掘・調査、文物の保護、収蔵品の収集と管理などを担い、豊富な文物・文献資料と研究成果を基盤として、中国の各歴史段階における南京の発展の軌跡を展示し、とくに古都南京の歴史文化の成果を強調しています。南京博物院が位置する朝天宮は、江南地方で最も格式が高く、最大規模で、最も完全な形で保存された古建築群です。「朝天宮」という名称は、明の洪武17年(1385年)に太祖朱元璋が「朝拝上天」という意味を込めて下賜したものです。現存する建物は清の同治5年(1866年)に再建されたもので、敷地面積は約4万平方メートルに及びます。館内に収蔵されている文物は、南京の各時代の歴史を証明するものであり、地方色が非常に濃いのが特徴です。特に、中更新世中期の南京原人遺跡や営盤山・薛城など新石器時代の遺跡出土品は独自性が高く、六朝・明代・民国期の文物は種類も多く品質も極めて高いため、国内外の専門家・学者の注目を集めています。
- 住所:南京市玄武区中山東路321号 (Appleマップ/Amap)
 - 開館時間:火曜〜日曜 9:00〜17:00(16:00最終入館)。月曜休館。ただし中国の法定祝日の月曜は開館。
 - 観覧推奨時間:3〜4時間
 - 観覧に適した季節:四季を通じておすすめ
 - チケット:無料(要予約)
 

南京博物院マップ
南京博物院は3棟の独立した建物から構成されており、歴史館、特別展館、デジタル館、芸術館、非物質文化遺産館、民国館の6つの展示エリアが分布しています。

みんなが南京博物院に行きたがる理由って?
収蔵規模と貴重な文物
南京博物院は43万点以上の文物を収蔵しており、貴重な文物の数では全国第2位(北京の故宮博物院に次ぐ)を誇ります。青銅器、玉器、陶磁器、書画など多彩なジャンルを網羅し、その中でも西漢の金獣(重さ18斤の古代最重量の金製品)や唐代のピンク色香炉(希少な釉色の代表)などは、時代ごとの工芸技術の頂点を示しています。
6つのテーマ展示館の特色
- 歴史館:江蘇地域の古代文明を体系的に紹介し、旧石器や春秋時代の青銅器などの展示を通して歴史の移り変わりを語ります。
 - 特展館:国内外の特別展を定期的に開催。2025年の「大明の世界」特別展では、30以上の文博機関から400点を超える文物が集結します。
 - 芸術館:宋・元時代の書画、明・清の陶磁器など約5000点の逸品を展示し、民国館では古き南京の街並みをリアルに再現。
 - 非物質文化遺産館:切り絵や刺繍などのハンドクラフト体験ができ、伝統工芸を自らの手で楽しめます。
 
建築と文化体験
館内の建築は伝統と現代デザインが融合し、民国館の茶館パフォーマンスや中庭カフェなどの空間設計が臨場感を高めています。また特展館のデジタル展示(デジタル館など)では、革新的なインタラクティブ体験を提供し、文化とテクノロジーの融合を体感できます。
南京博物院でできること・見どころガイド
主な展示館
歴史館
南京博物院の中央に位置するメインホールであり、全体の核心的エリアです。歴史館は上下2層・6つの展示ホールに分かれ、時間の流れを軸に、観覧者を遠い古代文明から明清の繁栄へと導きます。展示内容は、江蘇地方の古代文明の発展を体系的に示しており、「遠古の印象」「史前の神韻」から始まり、「呉越春秋」「郡国の華章」へと続き、「六朝の興亡」「隋唐の輝き」「江淮の多彩」「宋元の風貌」、そして「盛世の江南」「明清の栄華」へと展開していきます。歴史の流れが段階的かつ明快に描かれ、その奥深さを実感できます。ここには金蝉玉葉、金縷玉衣、広陵王璽など、南京博物院を代表する至宝が数多く展示され、中国古代の芸術と工芸の頂点を物語っています。
- 1号展示ホール:遠古の印象
 - 2〜6号展示ホール:江蘇古代文明
 

特別展館
特別展館は7〜18号展示ホールで構成され、南京博物院の中でも最も多様で驚きに満ちたエリアです。主に国内外のテーマ展や館蔵コレクションの特別展示が行われています。過去には《盛世華彩—清朝官窯展》や《時計の名品展》、《仏像の世界へ》など、学術界と一般来場者双方から大きな注目を集めた展覧会が開催されてきました。また、一部の館蔵至宝も特別展形式で登場し、金獣、金観音菩薩立像、鍍金獣形銅盒硯など、古代工芸と宗教芸術の究極の美を感じられます。
- 7号展示ホール:子ども体験館
 - 8号展示ホール:新月と薔薇(イラン文明の千年の歴史)
 - 9号展示ホール:天下を守護する(金獣特別展)
 

デジタル館
デジタル館は、実物展示と仮想展示を融合した南京博物院のデジタル体験拠点です。マルチメディアや没入型技術を通じて、観覧者はアニメーション作品『南都繁絵景物図巻』などのデジタルアートを楽しめるほか、インタラクティブなゲームやAR技術を用いて古代文明の生活を再現することができます。

芸術館
芸術館は19〜28号展示ホールで構成され、古今東西の芸術精華が集う殿堂です。展示は素材やジャンルごとに分類され、彫刻・絵画・書道など、館蔵の名品が常設で展示されています。歴代彫刻の変遷をたどれるほか、呉為山彫刻館では現代彫刻の生命力を体感でき、油絵の巨匠・蘇天賜の色彩芸術や傅抱石の中国画の傑作も鑑賞可能です。
- 19号展示ホール:傅抱石絵画館
 - 21号展示ホール:歴代絵画館
 - 22号展示ホール:陳之仏芸術館
 - 23号展示ホール:無錫恵山泥人展
 - 24号展示ホール:呉為山彫刻展
 - 25号展示ホール:歴代書法展示
 - 27号展示ホール:蘇文賜油絵展
 

非物質文化遺産館
非遺館は芸術館のサンクン広場に位置し、江蘇省の無形文化遺産を動的に紹介する空間です。ここでは伝統技術の展示に加え、実演やパフォーマンスを通じて、無形文化がまるで息づくように再現されます。南京雲錦の織造技術、金箔の打製技法、宜興紫砂陶の制作など、貴重な工芸技術の制作過程を間近で見ることができます。
- 31号展示ホール:非遺館
 

民国館
民国館は南京博物院の30号展示ホールにあり、全館の中でも最も生活感にあふれたエリアです。ここでは、民国時代の南京の街並みが1:1スケールで完全再現され、まるでその時代にタイムスリップしたような感覚を味わえます。エリア内を路面電車が走り抜け、南北雑貨店、郵便局、書店「先鋒書店」などの民国風の店舗が立ち並び、当時の庶民の息づかいを感じられます。訪問者は写真撮影やSNS投稿を楽しめるだけでなく、民国風の記念品を購入し、「古き南京」の街の雰囲気を存分に体験できます。
- 30号展示ホール:民国館
 

南京博物院チケット案内
南京博物院の入館料は無料ですが、事前に公式WeChatミニプログラムでの予約が必要です。予約手順は下の画像を参照してください。本人確認書類の原本と予約完了の証明(予約完了のスクリーンショット)を持参し、サービスセンターのグリーンレーン窓口で手続きを行ってから入館します。
- チケット開放時間は毎日18:00で、7日前(当日を含まない)から公式WeChatミニプログラムで予約可能です。予約時間は午前(9:00~13:00)と午後(12:00~16:00)の2区分です。
 - 14歳未満(14歳を含む)の未成年者は単独で予約できず、大人が親子チケットを代わりに予約し、同時に入館手続きを行う必要があります。大人1人につき最大3名までの未成年を同行可能です。
 

南京博物院ガイドサービス
南京博物院では自動感知式の音声ガイドを提供しており、非常に使いやすく、観覧体験をさらに充実させてくれます。
- 音声ガイド機:1台20CNY(スマートフォン型)
 - 対応範囲:6つの展示館すべて(別料金エリアを除く)
 - 対応言語:中国語、英語、日本語、韓国語
 

おすすめの南京博物院見学ルート
南京博物院は非常に人気が高いため、効率よく回るルートとして「芸術館→民国館→非遺館→デジタル館→特展館→歴史館」の順をおすすめします。見学後は中央軸に沿ってそのまま出口へ進めば、戻ることなくスムーズに回れます。道順もシンプルで迷うことはありません。
南京博物院周辺のおすすめグルメ
南京博物院の中にもレストランがあり、民国館と特展館にあります。味は普通ですが、軽食を取るには便利で、平均予算は約35CNY、ケーキは50CNY程度です。しっかり食事をしたい場合は、博物院近くの「後宰門」エリアのレストランがおすすめです。

南京市内から南京博物院への行き方
地下鉄の利用が最も便利で、南京地下鉄2号線でアクセスできます。グループで移動する場合はタクシーもおすすめで、南京のタクシー料金は比較的リーズナブルです。
地下鉄
地下鉄2号線に乗り、「明故宮駅」で下車。1番出口から東へ300メートルほど歩くと南京博物院に到着します。南京の地下鉄料金は安く、2CNYで行けます。
バス
バスを利用する場合は、5番、34番、36番、55番、59番、80番のいずれかに乗り、「中山門駅」で下車すれば、目の前が南京博物院です。
タクシー/配車アプリ
南京博物院は市中心部に近く、車で約20分程度。料金は15〜20CNYほどです。
南京禄口国際空港から南京博物院への行き方
南京禄口空港からは地下鉄でのアクセスがおすすめです。距離があり、タクシーだと費用が高めになります。また繁忙期は博物院周辺で渋滞しやすいため、地下鉄のほうが便利です。
地下鉄
空港から地鉄S1号線に乗り「南京南駅」で下車。そこから3号線に乗り換え「大行宮駅」で下車し、2号線に乗り換えて「明故宮駅」で下車。1番出口から東へ300メートル歩くと南京博物院に到着します。所要時間は約1時間30分、料金は8CNYです。
タクシー/配車アプリ
タクシーを利用する場合、南京博物院までの料金は高速料金込みで約70CNY、所要時間は約50分です。
よくある質問
完全に便利とは言えません。館内でベビーカーの使用は可能ですが、階段が多く、一部のエリアでは歩いて移動する必要があります。
ビジターセンターで無料の荷物預かりサービスがあります(正門から左に曲がった場所)。大型荷物用のロッカーもあり、20インチのスーツケースとリュックサック1つを入れても余裕があります。料金は2時間につき4〜8CNYです。
			
                                English (US)                            
                                繁體中文                            
    
コメント (0)