こんにちは、Michael Zhangです。歴史的建造物から庭園、地方誌から土地の風土や人情に至るまで、私は旅の中で「目にしたこと」「理解できたこと」を皆さんと共有するのが好きです。特に、文化的な奥行きや人文精神が感じられるスポットに強く惹かれます。今回ご紹介する「広州・宝墨園」の旅行ガイドは、私が嶺南文化を深く巡った際に出会った、まさに“宝物”のような体験をまとめたものです。



宝墨園の紹介

宝墨園は、中国AAAA級の観光スポットで、敷地面積は約2,000平方メートル。清廉な官吏文化、嶺南園芸、嶺南建築、珠江デルタの水郷風情、そして古今東西の芸術品が融合した伝統的庭園建築です。清末から民国初期に建てられましたが、1950年代に破壊され、1995年に再建されました。園内には40以上の見どころと10の芸術展示館があり、建築様式は堂・楼・閣・館・廊・橋・亭・榭・坊・軒・舫・壁の12種類に分類されます。代表的なスポットには治本堂、宝墨堂、清心亭、仰廉橋、紫洞舫、龍図館、千象回廊、風味食街などがあります。

  • 住所:広州市番禺区沙湾鎮紫坭村東安路(Appleマップ / Amap
  • 開園時間:8:30〜17:30
  • 所要観光時間:2~3時間程度
  • ベストシーズン:年間を通じて
  • チケット料金:50元(セットチケットは65元)
  • チケット購入:Trip.com割引Klook特価
宝墨園の空撮写真 桜と伝統建築が美しい

宝墨園マップ

宝墨園の観光マップ 園内の見どころと経路案内

みんなが宝墨園に行きたがる理由って?

歴史的・文化的な深み

宝墨園の前身は、清末から民初期に建てられた「包相府」。これは北宋の名臣・包拯を祀るための建物です。その建立は、村で見つかった一本の黒木に由来し、清廉と正義の象徴とされています。幾度かの再建を経て、現在の宝墨園は清官文化、嶺南古建築の様式、珠江デルタの水郷文化を融合させた、歴史と芸術が共存する庭園として生まれ変わりました。

独創的な庭園設計

園内は変化に富んだ水景が特徴。宝墨湖、荔景湾、清平湖などが1kmほどの水路でつながれ、水郷の風景を美しく描き出します。石橋、回廊、楼閣が水面に映り、詩的で情緒ある景色が広がります。また、回廊の設計は非常に個性的で、嶺南スタイルが色濃く表れています。春夏秋冬を通じて花が咲き誇り、園内は散策にも最適なリラックス空間となっています。


宝墨園でできること・見どころガイド

主な見どころ

嶺南建築

宝墨園は、嶺南地方の伝統的な建築美を凝縮した場所です。建物には青レンガと灰瓦が使われており、彫刻入りの木製窓や反り上がった屋根、そして連続した回廊などが特徴的です。こうした構造は、水と共に生きる嶺南の知恵「水に因んで建て、土地に合わせる」精神を映し出しています。屋根には精巧な陶器の装飾が施され、壁面にはレンガ彫刻や灰塑(灰を使った装飾)が組み込まれ、見応えがあるだけでなく、深い文化的意味も込められています。建物の配置には風水や美学のバランスが取り入れられ、「小さな空間から広がる景観リズム」が巧みに演出されています。まさに嶺南民家と官式建築が融合した傑作といえるでしょう。

宝墨園の嶺南建築と石橋の景観

絶対に見逃せない展示

  • 陶器によるレリーフ作品《清明上河図》は、園内でも特に注目される展示です。陶製の素材を使い、北宋の画家・張択端が描いた市井の賑わいを見事に再現。全長は約100メートルに及び、登場人物の表情や街並みの細部までが緻密に作り込まれています。古典絵画と現代陶芸の見事な融合が楽しめます。
  • 巨大なレンガ彫刻《吐艷和鳴壁》もまた見逃せません。カラフルな花や鳥が描かれ、「百花が咲き、万物が調和する」という理想の世界を表現しています。層ごとに違うディテールが際立ち、嶺南レンガ工芸の技術レベルの高さを実感できる作品です。
宝墨園の陶器浮彫作品「清明上河図」

南粤苑

南粤苑は、宝墨園のすぐ隣にある関連施設で、こちらも嶺南建築を基調に設計されています。園芸と文化展示が融合した空間で、全体的に落ち着いた静かな雰囲気が魅力です。苑内には花や植物を楽しめるエリア、お茶を体験できるコーナー、さらに伝統工芸の展示ゾーンなども整っており、文化的な深掘りやリラックスした時間を過ごすにはぴったりの場所です。

  • 入場料は50元。宝墨園とのセットチケットがおすすめです。
宝墨園の南粤苑にある塔と庭園の風景

宝墨園のチケットガイド

宝墨園は市内中心部からやや離れており、南粤苑も隣接しているため、2つのスポットをまとめて訪れるのが一般的です。

宝墨園の入場料

  • 大人:54元
  • 子供:27元(身長1.2m〜1.5mの子供)
  • 学生:27元(大学・短大・高校などの学生)
  • 高齢者:27元(60〜64歳)
  • 無料:身長1.2m未満の子供、65歳以上の高齢者

宝墨園+南粤苑 セット料金

  • 大人:104元
  • 子供:50元(身長1.2m〜1.5mの子供)
  • 学生:50元(大学・短大・高校などの学生)
  • 高齢者:50元(60〜64歳)
  • 無料:身長1.2m未満の子供、65歳以上の高齢者

チケット購入方法

  • オンライン:公式WeChatアカウントまたは各種予約サイトにて購入可能
  • オフライン:現地のチケットカウンターでも購入可能です

宝墨園おすすめ散策ルート

おすすめルート:九曲橋 → 翠湖亭 → 紫竹居 → 荔景橋 → 聚宝閣 → 龍図館 → 宝墨堂 → 紫洞舫 → 清明上河図 → 玫瑰園 → 養廉池(蓮の楽園)

  • 写真映えスポット:古風な漢服やシンプルで上品な服装が映えます。園内には衣装レンタルサービスもあり、SNS映えを狙うならぜひ活用してみてください
  • 錦鯉への餌やり:10万匹以上の錦鯉が泳ぐ池では、餌やり体験が楽しめます。園外の売店では1袋5元、園内では10元で販売されています

宝墨園周辺のおすすめグルメ

園内には多くのレストランがあります。歩き疲れたときに、気になったお店にふらっと入って食事するのもおすすめ。価格は中程度で、気軽に楽しめます。

観景楼レストラン

宝墨園の観景楼レストラン 窓からの景色が魅力
  • おすすめ理由:このレストランは、複数の方向に宝墨園の景色を望むことができるため、「観景楼レストラン」と呼ばれています。料理はボリューム満点で、近くを巡った後の食事にもぴったりです。
  • 住所:広州市番禺区沙湾鎮紫坭村東安路 宝墨園(北東角)(Appleマップ / Amap)
  • 営業時間:月〜日 10:00〜18:00
  • 平均予算:一人あたり約80元

宝墨園周辺のおすすめ宿泊先

宝墨園の周辺には他の観光スポットがほとんどないため、すぐ近くに宿泊するのはあまりおすすめできません。もし宝墨園へのアクセスを優先したい場合は、「広州南駅」や「長隆観光リゾートエリア」周辺に宿泊するのが便利です。タクシーを使えば宝墨園までは30分以内で到着し、長隆エリアでの観光にも支障はありません。特に「漢渓長隆」駅や「南村万博」駅の近くが便利です。

また、長隆サファリパーク(長隆野生動物園)長隆パラダイス(長隆歡樂世界)長隆ウォーターパーク、長隆バードパークなどにもアクセス良好で、広州南駅への移動もスムーズです。

巢趣デザイン臻選美宿(番禺万達南村万博地下鉄駅店)

巢趣デザイン臻選美宿(番禺万達南村万博地下鉄駅店)
  • 交通:南村万博地下鉄駅から徒歩5分
  • 参考価格:298 RMB
  • 予約サイト:Trip.com特別価格
  • 評価:Trip 4.8
  • 特別なニーズ:ランドリー、親子ルーム

ホテルは万達広場に位置しており、ショッピングや食事に非常に便利です。夜は建物の下で歌が聞こえ、後ろにはスナックストリートもあります。近くに地下鉄駅があり、広州南駅も遠くないです。

客室は広々としており、清潔でベッドは快適です。全室スマートコントロールが施されており、窓からの景観も素晴らしいです。

広融スイートホテル(広州番禺長隆万達店)

広融スイートホテル(広州番禺長隆万達店)
  • 交通:南村万博地下鉄駅から徒歩6分
  • 参考価格:526 RMB
  • 予約サイト:Trip.com特別価格
  • 評価:Trip 4.8
  • 特別なニーズ:ランドリー、ロボットルームサービス、親子ルーム

ホテルは番禺の中心部に位置し、万達広場や天河城からも近く、周辺の交通は非常に便利です。地下鉄駅まで徒歩6分で、長隆へはタクシーで約15分です。

客室は設備が整っており、清潔で整頓されています。ホテルのサービスは非常に良好で、必要なアイテムが完備されており、寝具は柔らかく快適です。

長隆熊猫ホテル

長隆熊猫ホテル
  • 交通:汉溪長隆地下鉄駅E出口からシャトルバスでホテルへ
  • 参考価格:948 RMB
  • 予約サイト:Trip.com特別価格Klookで価格比較
  • 評価:Trip 4.7
  • 特別なニーズ:ジム、親子ルーム

ホテルは位置が非常に便利で、長隆歓楽世界、野生動物園、大サーカスが非常に近く、昼間はホテルに戻って休むことも可能です。飛鳥楽園までは約20分で、各観光地へのシャトルバスサービスがあります。

ホテルのビュッフェ式朝食と夕食は種類が豊富で清潔ですが、一部の客室設備はやや古いです。部屋は適切な広さで、設備も整っており、子供を考慮した設計が多く見られます。サービスも非常に良好です。


広州市内から宝墨園への行き方

宝墨園は広州市中心部からやや離れており、公共交通機関を利用する場合は乗り換えが多く、所要時間も長くなります。グループで移動する場合は、タクシーや配車サービスの利用をおすすめします。

公共交通

広州市内から地下鉄3号線に乗り、「市橋駅」B出口を出て右へ。そこから67番の路線バスに乗るか、北城バスターミナルで12番バスに乗車し、「宝墨園」バス停で下車します。所要時間はおよそ2時間です。

タクシー・配車アプリ

市内から宝墨園までタクシーを利用すると、所要時間は約55分、料金は高速道路代を含めておよそ60元です。


よくある質問

宝墨園はベビーカーや車椅子でも大丈夫?

はい、大丈夫です。すべての階段の横には専用のスロープが設置されており、車椅子やベビーカーでも安心して移動できます。このバリアフリー対応が、家族連れや高齢者にも人気の理由のひとつです。

荷物を預けられる場所はある?

はい、園内の「観光案内センター」で荷物の預かりサービスを利用できます。