こんにちは、Michael Zhangです。歴史や文化を深く愛する旅人として、私はいつもこう言っています——本当に心を打つ旅とは、景色だけでなく、人と土地が織りなす物語そのものです。今回は、中国南西部の文化の中心地・成都に戻り、多くの旅行者が見落としがちな、しかし文学の魂が静かに息づく場所を訪れました。それが「杜甫草堂博物館」です。ここは、唐代を代表する大詩人・杜甫が4年間滞在した住まいでもあります。もしあなたが中国の詩、中国古典文化、歴史的建築に興味があるなら、この記事がきっと役立つはずです。専門的でありながらも分かりやすく、その魅力をたっぷりとご案内します。
目次
杜甫草堂の紹介
杜甫草堂は、中国唐代の大詩人・杜甫が成都に滞在していた際の住居です。晩唐から宋代にかけて、杜甫の名声は次第に広がり、中国文学だけでなく、日本文学にも深い影響を与えました。後世では「詩聖」として称えられ、彼の詩は「詩による歴史」とまで評されています。杜甫はこの地におよそ4年間住み、240篇以上の詩を残しました。杜甫草堂博物館の敷地はおよそ300ムー(約20万㎡)にも及び、拡張工事後の建築配置が今もそのまま保たれています。正門や詩史堂、柴門、工部祠といった建物が一つの中軸線上に並び、その両側には対称的な回廊や附属建築が配置されています。草堂内には、古文書や研究資料など3万冊以上が収蔵されています。
- 住所:中国四川省成都市青羊区青華路37号 (Appleマップ / Amap)
- 開館時間:9:00〜18:00(17:00でチケット販売終了)
- 観光所要時間:2〜3時間
- ベストシーズン:四季折々どの季節もおすすめ
- 入場料:50元
- チケット購入:Trip.com割引、Klook特価

杜甫草堂の地図

みんなが 杜甫草堂 に行きたがる理由って?
歴史的背景と文化的価値
杜甫草堂は、唐代の偉大なリアリズム詩人・杜甫が成都で晩年を過ごした旧居であり、紀元759年に建てられました。千年以上の風雨にさらされながらも、その姿を今に残しています。ここは、彼が数々の不朽の名作——例えば『茅屋為秋風所破歌』や『春夜喜雨』など——を創作した重要な場所でもあります。それらの詩は、当時の社会の様子や杜甫自身の心情を生き生きと描いています。
豊富な展示と文化イベント
杜甫草堂博物館には、詩の原稿、古典書籍、書画作品など、3万点以上に及ぶ貴重な文化財が所蔵されています。これらは杜甫の詩才の素晴らしさを物語るだけでなく、彼の人生観や詩の深みも浮き彫りにしています。文芸や歴史に興味のある方には、まさに見逃せないスポットです。
美しい庭園と詩の世界の融合
草堂内の庭園風景は、杜甫の詩の世界と深く結びついています。園内には水亭、渓流、柳の並木、咲き誇る花々が調和し、まるで古典的な中国庭園の絵巻物の中を歩いているような感覚になります。どこを歩いても詩と自然が響き合い、五感すべてで文学の美を体験できるでしょう。
杜甫草堂 でできること・見どころガイド
主な見どころ
正門・「草堂」の扁額
杜甫草堂に足を踏み入れると、まず目に入るのが荘厳で素朴な正門です。門の上に掲げられた「草堂」の二文字は、清代の果親王・允礼による筆跡で、力強く、品格に満ちた書風が印象的です。門の両側には「万里橋西宅,百花潭北庄」という対聯が刻まれており、これは杜甫自身の詩に由来し、草堂の立地を詠んだものです。この門に近づくと、まるで盛唐の文学空間へと一歩足を踏み入れたかのような感覚になります。

大廨(たいかい)
「大廨」とは、もともと古代中国の官吏が勤務していた場所を指します。杜甫は一生を通じて国を想い、民を憂える姿勢を貫きましたが、出世には恵まれず、志を果たせぬままに終わりました。その無念を慰めるために、後世の人々が草堂内にこの厳粛な大廨を建てました。内部には晩年の杜甫を模した彫像があり、風霜にさらされた顔つきと沈痛な表情が、放浪と苦難に満ちた彼の晩年を物語ります。西暦770年、59歳の杜甫は湖南・岳陽の舟上で亡くなり、最期の詩には「親朋無一字,老病有孤舟(友も文もなく、病んだ身を一艘の孤舟に託す)」と詠まれ、読む者の胸を打ちます。

詩史堂
草堂の中心的建物の一つ「詩史堂」は、杜甫が生涯にわたり詠んだ1400篇以上の詩作に由来し、その内容は政治、民生、辺境、自然と多岐にわたります。そのため「詩による歴史」とも称されます。館内で最も目を引くのは、彫刻家・劉開渠によって制作された杜甫像で、深く思索するような眼差しで遠くを見つめる姿は、まさに国と民を案じる詩人そのものです。両側の壁には、歴代の文人が書いた扁額や対聯が展示されており、杜甫への深い敬意が伝わってきます。

柴門(さいもん)
詩史堂を抜けた先にあるのが、質素で風情ある木の門「柴門」です。「野老篱前江岸回,柴门不正逐江开(年老いた男の垣根の前に川が曲がり、柴門は川沿いに斜めに開かれる)」という詩の一節が、当時の杜甫の生活の様子を伝えています。現在の柴門は清代の再建によるもので、門額の書は現代中国画の巨匠・潘天寿による筆。奔放な筆致が庶民的な味わいを感じさせます。この門の前に立つと、かつての詩人が川を眺め、世の人々を思いながら暮らしていた姿が自然と浮かんできます。

杜甫草堂のチケット情報
入場料について
- 一般:50元
- 子ども:25元(6歳未満を除き、18歳までの未成年)
- 学生:25元(大学本科までの全日制学生)
- 無料:6歳以下または身長1.3メートル以下の子ども、および60歳以上の高齢者
チケットの購入方法
- オンライン購入:公式サイト、WeChat公式アカウント、または第三者の予約プラットフォーム
- チケット購入:Trip.com割引、Klook特価
- 現地購入:現場のチケットカウンターにて直接購入可能
杜甫草堂のガイド利用方法
公式の有人ガイドがありますが、費用や利便性を考えると、WeChatでQRコードをスキャンして音声ガイドを利用するのが最もおすすめです。内容の差はほとんどなく、料金も割安です。特に混雑時は有人ガイドの予約が困難な場合もあるため、事前の準備が重要です。また、ガイド機器のレンタルはおすすめしません。内容が音声ガイドと似ているうえに、料金も高めです。
- 公式ガイド(有人)
- 言語:中国語、日本語、韓国語
- 料金:
- 1~3名:中国語ガイド 120元/団体、日本語・韓国語は 180元/団体
- 4~20名:上記料金に加え、中国語は1人追加ごとに40元、日本語・韓国語は60元加算
- WeChat音声ガイド(QRコード)
- 園内に設置されたQRコードをスキャンし、支払い後すぐにスマホで聴取可能
- 時間:約30~60分
- 言語:中国語、日本語、韓国語、フランス語、ロシア語
- 料金:中国語12元、その他言語18元
- ガイド機器レンタル
- 料金:25元/台

杜甫草堂のおすすめ観覧ルート
北門が最も交通アクセスがよいため、北門から入場する観光ルートをおすすめします。このルートは環状になっており、他の門から入っても順路を参考にすることで、すべての主要スポットを見逃すことなく回れます。
観光ルート:北門 → 水亭 → 一覧亭 → 大廨 → 詩史堂 → 柴門 → 工部祠 → 茅屋景区 → 春夜喜雨園 → 浣花祠 → 花径(紅い塀の小道)→ 草堂影壁 → 大雅堂 → 万仏楼 → 仰止堂 → 杜甫千詩碑 → 蘭園 → 水辺エリア → 唐代遺跡 → 北門
- TIPS:杜甫草堂は「浣花渓公園」や「四川省博物院」からも徒歩圏内で、あわせて観光するのにぴったりです。
杜甫草堂周辺のおすすめグルメ
杜甫草堂の園内には、複数の飲食スポットがあります。軽食で体力を補ったり、座ってお茶を楽しんだりと、成都の「茶文化」と「ゆったりとした生活リズム」を体感するのにもぴったりです。草堂内での食事は、旅の中で意外と満足感の高い選択になるでしょう。
草堂カフェ

- おすすめポイント:杜甫草堂と長年にわたり提携しているローカルカフェで、観光客よりも地元の人に人気があります。店名は「草堂カフェ」ですが、提供されているのはコーヒーだけでなく、種類豊富なお茶、軽食、簡単な食事も揃っています。ひとり旅でも家族連れでも、誰でも満足できる内容です。
- 所在地:杜甫草堂内に4店舗あり、園内を歩いていれば自然と見つかります。
- 営業時間:9:00〜18:00
- 平均予算:約35元
哆得幸(Duodexing)酸湯豆腐鍋(杜甫草堂店)

- おすすめポイント:杜甫草堂の北門に近い立地。豆腐鍋は具材が豊富で味も評判です。特に珍しいのは、ドリンクとして提供されるのが中国茶ではなく「豆乳」な点。シンプルながらも印象に残る味わいです。
- 所在地:成都市青羊区清江南街4号附1号 (Appleマップ / Amap)
- 営業時間:毎日10:30〜21:30
- 平均予算:約40元
杜甫草堂周辺のおすすめ宿泊エリア
杜甫草堂に近いエリアに泊まりたい場合、もっともおすすめなのは春熙路(チュンシールー)や天府広場エリアです。成都での宿泊なら春熙路周辺がベストチョイス。グルメ、ショッピング、空港・駅・観光地へのアクセスすべてが便利です。さらに、空港や主要観光地へ直行するバスも多く、カップル、家族連れ、高齢者との旅行にも最適です。天府広場は春熙路から地下鉄で1駅という近さで、宿泊拠点として非常に優れています。春熙路または天府広場の地下鉄駅周辺に宿を取れば、春熙路歩行街、文殊院、寛窄巷子、武侯祠、錦里古街、成都博物館、建設路グルメ通り、青羊宮、玉林通り、九眼橋など、観光名所にも近くて便利です。また、三星堆博物館や成都ジャイアントパンダ繁育研究基地へ直行バスが出ているのも魅力のひとつです。成都天府空港(直行バスあり)、成都双流空港へのアクセスもスムーズです。
成都太古里春熙メルキュールホテル

- 交通:太升南路地下鉄駅から徒歩10分、春熙路地下鉄駅から徒歩13分
- 参考価格:459 RMB
- 予約サイト:Trip.com特別価格、Klookで価格比較
- 評価:Trip 4.8点
- 特別なニーズ:フィットネスジム、ランドリー、ロボットによるルームサービス、親子向けルーム
ホテルは市中心にあり、春熙路太古里までは徒歩約10分で到着します。出かける際には、ショッピングをすぐに楽しむことができます。また、主要観光地にも近く、地下鉄やタクシーでのアクセスも非常に便利です。
ホテルの客室は清潔で整頓されており、床から天井までの大きな窓があり、窓からの景色も楽しめます。部屋内には無料のスナックがあり、リラックスした時間を過ごせます。施設は充実しており、29階には自動洗濯機が設置されており、荷物の預かりサービスもあります。
ISEYA世野·高空全套房ホテル(太古里フラッグシップ店)

- 交通:春熙路地下鉄駅から徒歩3分、東門大橋地下鉄駅から徒歩13分
- 参考価格:738 RMB
- 予約サイト:Trip.com特別価格
- 評価:Trip 4.8点
- 特別なニーズ:ロボットによるルームサービス、親子向けルーム、三人部屋、四人部屋
ホテルは春熙路にあり、地下鉄2号線の駅も近く、交通は非常に便利です。下には太古里があり、春熙路まで徒歩圏内で、ショッピングにも便利で活気のあるエリアです。
客室はメゾネットタイプで、設備も整っており、ベッドマットレスには金可児を使用しています。上下の階にはテレビとプロジェクターがあり、ハーマンカードンの音響も備えています。清潔感も保たれており、非常に快適です。
成都茂業JWマリオットホテル

- 交通:太升南路地下鉄駅から徒歩6分、春熙路地下鉄駅から徒歩15分
- 参考価格:854 RMB
- 予約サイト:Trip.com特別価格、Klookで価格比較
- 評価:Trip 4.8点
- 特別なニーズ:フィットネスジム、ランドリー、室内プール、ロボットによるルームサービス
ホテルは非常に便利な立地で、天府広場や春熙路まで徒歩圏内です。周辺には成都博物館などの観光地もあり、地下鉄の駅も近く、移動に便利です。
客室は現代的な設備が整っており、電動カーテン、スマートトイレ、Bluetoothスピーカー、カプセルコーヒーマシンなどが完備されています。実用性と快適さを両立した設備です。
成都市内から杜甫草堂へのアクセス方法
一番おすすめなのは地下鉄です。市内中心部から地下鉄でアクセスでき、利便性が高いです。ただし、最寄り駅から草堂まで約15分ほど歩く必要があるため、足腰に不安のある方はタクシーや配車アプリ(DiDi)を使うと良いでしょう。市内からタクシーを使っても、それほど高くありません。
地下鉄の場合
地下鉄4号線または5号線を利用できます。下車後は徒歩で杜甫草堂へ。
- 地下鉄4号線:草堂北路駅で下車、B出口から出て徒歩15分
- 地下鉄5号線:青羊宮駅で下車、B出口から出て徒歩25分
バスの場合
バスを利用する場合は、19番・35番・58番・82番・151番・165番・170番・1024番・1031番などが利用できます。
タクシー/配車アプリ
杜甫草堂は市の中心部にあるため、市内からタクシーで簡単にアクセスできます。料金はおよそ20元、所要時間は25分ほどです。
よくある質問
はい、使用可能です。園内の通路のほとんどが平坦で、階段のある場所にもスロープが設けられています。また、杜甫草堂博物館ではベビーカーや車椅子の無料貸出も行っています。
荷物を預けたい場合は、北門へ行く必要があります。杜甫草堂では北門にのみロッカーが設置されています。ロッカーは最初の1時間が5元、その後は1時間ごとに1元かかります。もしロッカーが満杯の場合は、近くの個人商店などに相談してみてください。周辺の店では荷物預かりを行っているところも多くあります。
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