甘粛省(かんしゅくしょう、中国語:甘肃)は、中国の西北部に位置し、古代シルクロードの要衝として知られています。省都の蘭州(らんしゅう)は黄河が市内を流れるユニークな都市であり、中国で唯一、黄河が通る省都です。
地形は変化に富み、黄土高原、祁連山脈、砂漠、そして緑豊かなオアシスまで、多彩な自然景観が広がっています。また、莫高窟や麦積山石窟といった世界的な文化遺産も多数存在し、歴史好きや文化探訪を好む旅行者にとって理想的な目的地となっています。
甘粛省には10の地級市と2つの自治州、合計12の行政区域があります。どの都市にも独自の歴史的背景と文化があり、シルクロードの遺跡巡り、チベット仏教の体験、雄大な自然景観の探索など、さまざまな旅のスタイルに対応できます。
観光人気の高い都市は、蘭州、敦煌、嘉峪関、張掖などですが、天水、武威、酒泉、平涼、慶陽、隴南といったエリアもそれぞれに魅力があり、深掘りする価値があります。
甘粛省の省都。黄河沿いの風景が美しく、白塔山公園や水車園、中山橋など見どころが多い都市です。また、蘭州ラーメンの発祥地としても有名です。
かつてのシルクロードの中継点であり、莫高窟、鳴沙山、月牙泉など世界的な観光名所があります。歴史と自然が融合した神秘的な都市です。
七彩丹霞(ちさいたんか)と呼ばれるカラフルな岩山で有名。仏教寺院の大仏寺や黒水国遺跡など、歴史的スポットも豊富です。
万里の長城の西の起点。壮大な嘉峪関関城、懸壁長城、第一墩など、古代の軍事要塞が保存されています。
伏羲(ふくぎ)ゆかりの地とされ、中国神話や道教文化に興味がある人には特におすすめ。麦積山石窟は、断崖絶壁に彫られた仏像群が圧巻です。
甘粛省は、壮大な自然、歴史的な建造物、宗教文化が一体となったエリアです。シルクロードを辿る旅、アドベンチャー旅行、仏教美術鑑賞など、多様な旅のテーマに対応できる点が魅力です。
ユネスコ世界遺産に登録された仏教芸術の宝庫。数百に及ぶ洞窟に、壁画と塑像が保存されており、「東方のルーヴル」と称されることもあります。
カラフルなストライプ状の岩山が連なる絶景スポット。朝日や夕日が最も美しく、写真映え間違いなし。
明代の長城の西端に位置する堅牢な要塞。周囲の砂漠景観とも相まって、壮大な風景を楽しめます。
砂漠の中に浮かぶオアシス。月牙型の泉と、風に鳴く砂丘が幻想的な景観を作り出しています。
中国四大石窟の一つ。断崖絶壁に彫られた仏像と細やかな泥塑(でいそ)が特徴です。
チベット仏教ゲルク派の六大寺院の一つ。世界最長のマニ車回廊があり、チベット文化に深く触れることができます。
甘粛の料理は、西北地方特有の濃い味が特徴で、面料理が中心です。イスラム教徒の回族やチベット族の食文化がミックスされており、香辛料の効いた料理が多く、日本人の口にも合いやすいと評判です。
澄んだスープ、手延べ麺、香味油と香菜のバランスが絶妙な一杯。中国全土で愛されている定番ラーメン。
発酵させた野菜スープで食べる冷たい麺。夏場にぴったりのさっぱりとした味わいです。
青稞(チベット大麦)やもち米で作る発酵スイーツ。チベット族や回族の祝祭でよく見られます。
クミンと唐辛子でスパイシーに味付けされた羊肉の串焼き。夜市では定番のストリートフード。
武威名物。黄色い麺に柔らかく煮込んだ驢馬の肉が乗っていて、ピリ辛のタレが食欲をそそります。
エンドウ豆の甘いスープ。蘭州の冬の街角でよく見かける伝統的なスナックです。
甘粛省の面積は約42.5万平方キロメートル。人口はおよそ2,500万人です。以下は主要都市の面積と人口の一覧です(2023年時点):
※データは概算です。年度や統計機関により多少の差異があります。
甘粛は乾燥した大陸性気候で、降水量が少なく昼夜の寒暖差が大きい地域です。北部は寒冷で乾燥、南部はやや湿潤です。以下は月別の平均気温目安(蘭州・敦煌を基準):
観光のベストシーズンは5月~6月と9月~10月です。気候が安定しており、自然も文化遺産も最高のコンディションで楽しめます。
甘粛省の主要都市における郵便番号と市外局番は以下の通りです: