江蘇省(こうそしょう、中国語では「蘇」と略される)は、中国東部の沿岸部、長江の下流に位置しており、中国の中でも特に経済が発展している省の一つです。省都の南京(ナンキン)は悠久の歴史を持ち、蘇州(そしゅう)は伝統的な庭園で知られています。また、無錫(むしゃく)、常州(じょうしゅう)、揚州(ようしゅう)などの都市もそれぞれ異なる魅力を持っています。
江蘇は地形が平坦で、水路が非常に発達しています。自然資源と文化遺産が豊富で、長江と京杭大運河が省内を貫いていることから、古くから商業の要所として栄えてきました。歴史的な文化と現代都市の活気が共存するこの地は、観光地としても非常に高い人気を誇ります。
江蘇省には13の地級市(地方都市)があり、それぞれに独自の歴史と文化があります。古都の遺跡を訪ねたい方、江南地方の美しい庭園を散策したい方、ローカルグルメを楽しみたい方、近代都市のライフスタイルを体験したい方——どんな旅行者でも、江蘇ならその期待に応えてくれます。
南京・蘇州・無錫・常州・揚州は特に人気のある観光地ですが、南通(なんつう)、徐州(じょしゅう)、塩城(えんじょう)、鎮江(ちんこう)、泰州(たいしゅう)、淮安(わいあん)、連雲港(れんうんこう)など、ほかの都市にも個性豊かな魅力が詰まっており、よりディープな旅を楽しめます。
江蘇省の省都であり、六朝時代には都が置かれた歴史ある都市です。中山陵や明孝陵、南京総統府など多くの歴史スポットが残り、古き良き文化と現代の都市機能が美しく調和しています。
古典庭園と水郷の街並みで名高く、拙政園、留園、周荘などが有名です。中国の伝統文化や江南美学を体現した都市として、国内外からの観光客に愛されています。
太湖(たいこ)のほとりにあり、霊山大仏、鼋頭渚(げんとうしょ)、映画・ドラマの撮影地として知られる影視基地などが観光客を惹きつけています。江南地方を代表する工業都市でもあります。
長い歴史を持つ文化都市であり、中華恐竜園や天寧寺などの見どころがあります。また、製造業の中心地としても知られています。
運河沿いに栄えた歴史ある都市で、「煙花三月、下揚州(春の揚州は特に美しい)」という詩句でも知られます。瘦西湖(そうせいこ)、大明寺、東関街などが有名な観光スポットです。
江蘇省は自然の風景と人文的な遺産が豊富で、じっくりと楽しむ深掘り旅にも、気軽な都市観光にもぴったりのエリアです。伝統的な中国庭園から仏教の聖地、歴史的建造物から水郷の街並みまで、どの都市にも代表的な名所があります。
中国四大名園の一つとして知られ、江南式の庭園建築、東屋や水辺のあずまや、人工の山や曲がりくねった小道が特徴的です。蘇州の古典園林を代表する存在です。
中国近代の偉人・孫文の墓所で、厳かな雰囲気の建築が印象的です。鐘山風景区に位置し、南京のシンボルとも言えるスポットです。
世界最大級の屋外青銅仏で、太湖の湖畔に鎮座しています。仏教文化と自然景観が融合した、無錫を代表する観光名所です。
湖と庭園、古い建物が一体となった風光明媚な場所。「詩と絵画のような水郷」と評され、春は花見、秋は舟遊びが楽しめます。
中国で最も有名な水郷古鎮の一つで、小さな橋と運河、白壁の民家が続き、江南のスローライフを体感できる場所です。
「呉中第一の山」と呼ばれ、虎丘塔、断剣池、千人石など多くの史跡が点在しています。蘇州の歴史文化を象徴するスポットです。
江蘇料理(略して蘇菜)は、中国八大料理の一つとして知られています。味付けはあっさりしていて新鮮さが際立ち、包丁さばきや盛り付けの美しさにもこだわります。特に煮込み、蒸し、柔らかく仕上げる料理が得意です。地域によって風味に違いがあり、南京・蘇州・揚州・無錫などにはそれぞれ独自の味があります。
蘇菜はやや甘めで旨味があり、全体的に口当たりがまろやかなので、多くの旅行者にとって親しみやすい味です。特に秋の蟹料理、冬の煮込み料理はぜひ味わっていただきたい逸品です。
秋限定の高級食材で、身は繊細で柔らかく、蟹味噌が濃厚なのが特徴です。中国では黄酒と一緒に食べるのが定番です。
南京を代表する伝統料理で、塩味が効いたさっぱりした味わいが魅力。肉質は柔らかく、南京のローカルフードとして親しまれています。
色・香り・味のバランスが絶妙な炒飯で、具材も豊富。調理の火加減が重要で、中国全土で愛されている定番料理です。
甘辛いタレで煮込まれたスペアリブで、肉はとろけるように柔らかく、濃厚な味が特徴。江南地域の家庭料理の代表格です。
蟹味噌を加えた大きな柔らか肉団子で、口に入れるととろけます。スープは澄んでいて旨味たっぷり。淮揚料理を代表する一品です。
もち米で作った甘酒に白玉団子を入れたデザートで、ほんのり甘く、冬の定番スイーツです。体も心も温まります。
江蘇省の総面積は約10万7,200平方キロメートル、常住人口は約8,500万人です。以下は、2023年時点の各都市の面積と人口です:
南京:面積 6,587km²、人口 約950万人
蘇州:面積 8,657km²、人口 約1,290万人
無錫:面積 4,627km²、人口 約740万人
常州:面積 4,385km²、人口 約530万人
南通:面積 8,001km²、人口 約730万人
鎮江:面積 3,843km²、人口 約310万人
揚州:面積 6,634km²、人口 約460万人
泰州:面積 5,796km²、人口 約480万人
塩城:面積 17,000km²、人口 約700万人
淮安:面積 10,000km²、人口 約460万人
連雲港:面積 7,601km²、人口 約450万人
徐州:面積 11,258km²、人口 約880万人
宿遷:面積 8,555km²、人口 約490万人
※人口は常住者の推定値であり、統計時期によって若干の差異があります。
江蘇省は亜熱帯モンスーン気候に属しており、四季がはっきりしています。湿度が高く、雨も多めです。以下は南京や蘇州を中心とした月別の気候と平均気温です(都市によって多少異なります):
1月:一年で最も寒く、平均気温 0〜8°C。霜が降りる日もあり、一部地域では雪も。
2月:寒さが続きつつも少し暖かくなり始める。平均気温 2〜10°C。昼夜の気温差が大きい。
3月:春の気配が感じられ、平均気温 6〜15°C。屋外での花見が最適。
4月:気温が上昇し、平均 11〜21°C。雨が増える時期なので雨具を準備すると安心。
5月:温暖で快適な気候、平均 16〜26°C。旅行のベストシーズンのひとつ。
6月:梅雨入りで雨が多く湿度が高い。平均 21〜29°C。
7月:一年で最も暑く、平均 26〜33°C。熱中症対策が必要。
8月:暑さが続くが降水量は減る。平均 26〜32°C。蒸し暑さが強まる。
9月:徐々に涼しくなり、平均 21〜28°C。気候は比較的快適。
10月:爽やかで過ごしやすい季節、平均 14〜23°C。屋外活動に最適。
11月:晩秋に入り、平均 8〜17°C。朝晩は冷え込む日も。
12月:気温が下がり、平均 2〜10°C。乾燥して曇りがちの寒い日が多い。
江蘇省を旅行するのに最も適した時期は、春(3月〜5月)と秋(9月〜11月)です。天候が安定していて景色も美しく、観光にぴったりの季節です。
以下は、江蘇省の主要都市の郵便番号と市外局番の一覧です:
南京:郵便番号 210000、市外局番 025
蘇州:郵便番号 215000、市外局番 0512
無錫:郵便番号 214000、市外局番 0510
常州:郵便番号 213000、市外局番 0519
南通:郵便番号 226000、市外局番 0513
鎮江:郵便番号 212000、市外局番 0511
揚州:郵便番号 225000、市外局番 0514
泰州:郵便番号 225300、市外局番 0523
塩城:郵便番号 224000、市外局番 0515
淮安:郵便番号 223001、市外局番 0517
連雲港:郵便番号 222000、市外局番 0518
徐州:郵便番号 221000、市外局番 0516
宿遷:郵便番号 223800、市外局番 0527