こんにちは、Alex Chenです。私はいつも「旅に必要なのはお金ではなく、風景の中に入り込み、現地に溶け込み、自分らしく生きること」だと信じています。ここ数年、できるだけ安く、でも深く中国の“隠れた絶景”を巡る旅を続けてきました。そんな中で出会ったのが、広西チワン族自治区・陽朔にある遇龍河(ユーロンホー)という場所。有名な漓江の陰に隠れがちですが、その美しさは想像を超えるもので、まさに“知る人ぞ知る絶景”です。今回の記事では、「小さな漓江」とも称されるこの清らかな山水の川・遇龍河について、本当に行く価値があるのか(答えはもちろんYES!)、どうやって一番ローカルに、安く、快適に楽しめるのかを詳しくご紹介します。



遇龍河とは?

遇龍河(ユーロンホー)は、中国広西チワン族自治区の桂林市陽朔県にある清流で、一般的には白沙の「世外桃源」から大榕樹付近の工農橋までの区間を指します。全長は約16km、川幅はおよそ38〜61m、水深は0.5〜2mと浅く、年間を通じて水は澄み、流れはとても穏やかです。

川の両岸には、美しく連なる山々が続き、緑に包まれた草原や竹林が広がり、まさに田園風景そのもの。どこを見ても、のどかで癒される風景が目に飛び込んできます。この遇龍河は、あの有名な漓江の支流の中でも特に美しいとされ、「小さな漓江」として知られています。漓江の雄大な景観に圧倒されたあとには、ぜひこの遇龍河にも立ち寄ってください。山々や古い村落、橋、水車が織りなす詩的な世界が広がっており、手漕ぎの竹筏に乗ってゆったりと川を下ることで、橋を渡る車や人、川で遊ぶ野鳥、昔ながらの暮らしの息づかいに出会えるはずです。まさに全身で味わう田園夢景の世界がここにあります。

  • 住所: 中国広西チワン族自治区桂林市陽朔県090号県道 (Appleマップ / Amap)
  • 営業時間: 終日開放(竹筏体験は8:00〜17:30)
  • 所要時間: 半日がおすすめ
  • ベストシーズン: 4月〜11月
陽朔の遇龍河で竹いかだ体験 絶景のカルスト山脈と清流

遇龍河マップ

遇龍河観光マップ ラフティングとサイクリングルート付き

みんなが遇龍河に行きたがる理由って?

自然が織りなす圧倒的な美しさ

遇龍河は、広西陽朔エリアにある漓江の支流の中で最長の川で、全長43.5km、流域面積は158.47平方キロメートルに及びます。陽朔県の複数の村や町を流れ、「小さな漓江」とも呼ばれています。

水は非常に透明で流れも緩やか。川沿いには山々が連なり、草木が生い茂り、まるで一幅の絵画のような田園風景が広がります。現代建築にほとんど影響されておらず、自然のままの美しさと素朴さを残しており、まるで詩の世界に迷い込んだかのような気分になります。

豊富なアクティビティ体験

遇龍河では多彩なアクティビティが楽しめます。最も有名なのは、竹で作られた伝統的な手漕ぎ筏(いかだ)による川下り体験です。穏やかな流れに身を任せながら、沿岸の風景をのんびり楽しむことができます。 なかでも人気なのは、金龍橋〜旧県の区間(全長9.5km)で、全28ヶ所の堰(ダム)を越えていくスリリングなルート。

さらに、自転車や電動バイクをレンタルして、川沿いのグリーンロードをサイクリングするのもおすすめです。田園風景の中を走り抜ける爽快感は格別で、現地の生活風景も間近に感じられます。また、遇龍河沿いには富里橋や遇龍橋など、明清時代に建てられた歴史的価値のある古橋も点在しています。


遇龍河でできること・見どころガイド

遇龍河の竹筏(バンブーラフティング)

朝の遇龍河で静かな竹いかだ乗り体験

遇龍河(ユーロンホー)を訪れたら、絶対に外せないのが竹筏での川下り体験です。とはいえ、ルートが多すぎて迷ってしまう方も多いはず。そこで、ここでは遇龍河の魅力を凝縮してご紹介し、どのルートを選べばよいのかをわかりやすく解説します。 ルートは大きく分けて上流・中流・下流の3つに分類され、もし全ルートを体験したい場合は5~6時間かかります。しかも、各セクションで別々のチケットを購入する必要があります。

  • 上流(約6.5km):富里橋 → 金龍橋 → 遇龍橋 → 犀牛塘 → 仙桂橋 → 旧県
  • 中流(約3.6km):旧県 → 興隆碼頭/興隆寨 → 夏棠/夏棠寨 → 矮山門/駥馬/朝陽
  • 下流(約5.2km):A. 駥馬/朝陽 → 水厄底 → 万景/工農橋/駱駝過江  B. 青厄渡 → 万景  C. 万景 → 駱駝過江

遇龍河ラフティングの予約方法とおすすめルート

以下に主な竹筏ルートとおすすめ度、予約方法をまとめました。

  • オンライン予約:公式WeChatミニプログラムから可能。リンク:#小程序://遇龙河/Y1tHj5onRIrxdFq をコピーして、WeChatの任意のチャットに貼り付けて開いてください。前日の20:00からしか予約できないので、注意が必要です。
  • 現地予約:各碼頭で直接予約可。ただし「水厄底→総合碼頭」ルートは非常に人気が高く、当日では売り切れになることも多いため、事前にオンラインでの予約を強くおすすめします。
ルート名おすすめ度定員距離片道/往復堰越え回数価格(CNY)
水厄底碼頭 → 総合碼頭◎最も人気のルート2人用3km片道4回200 / 筏
金龍橋碼頭 → 旧県総合碼頭◎スリル満点・絶景あり2人用6km片道9回320 / 筏
駥馬碼頭 → 工農橋総合碼頭◎代替案に最適2人用6km片道9回320 / 筏
夏棠碼頭 → 駥馬碼頭○予約が取れなければこちら2人用3km片道4回200 / 筏
富里橋碼頭 → 牛金嵅✕非推奨2人用3km往復上2・下2200 / 筏
富里橋碼頭 → 三岔口✕非推奨4人用2km往復なし358 / 筏
遇龍橋碼頭 → 西牛潭✕非推奨2人用2.5km往復上1・下1180 / 筏
興隆碼頭 → 仙桂橋✕非推奨2人用2.5km往復上1・下1180 / 筏
覽勝橋碼頭 → 駱駝過江✕非推奨2人用3.6km往復上3・下3200 / 筏
龍潭碼頭 → 鳳樓壩✕非推奨2人用3km片道下5回180 / 筏

遇龍河ラフティングに関するよくある質問

  • スリルはある?濡れる?
    • 遇龍河は流れが緩やかで、水深は0.5〜2メートル。すべて手漕ぎの竹筏で進むため、基本的にスピードは非常にゆっくりです。下堰の際に少し傾く程度で、スリルはほとんどありません。ふだんは水しぶきも少なく、足を軽く上げれば濡れることもありません。水鉄砲で遊ばなければ、基本的に全く濡れません。ただし、スマホやカメラは防水バッグに入れるなどの対策をしておくと安心です。
  • サイクリングで来た場合、自転車はどうなる?
    • 自転車旅行者にも優しい環境です。竹筏に乗る際、自転車は運営会社がゴール地点まで無料で運搬してくれるので、降りたあともそのまま旅を続けられます。
  • 子どもや高齢者は乗れる?家族3人だとどうなる?
    • 規定により、身長1m以下、6歳以下、65歳以上、妊婦の方は竹筏に乗ることができません。また、各筏は最大2名まで。子どもであっても座席が必要で、大人の膝に乗せての同乗は禁止です。家族3人の場合は2つの筏を予約するか、他の家族と相乗りする必要があります。なお、1筏の総重量は160kg以下に制限されています。
  • ベストシーズンはいつ?
    • 毎年4月〜11月の豊水期がベストシーズンですが、天候にも注意が必要です。長雨の後は川が濁るため、景観を楽しみにくくなります。また、夏場は台風の影響で増水する可能性もあるので、直前の天気予報を確認しましょう。
  • 全区間を一度にラフティングできる?
    • 現在の管理体制では、15.36kmの全ルートを一度に体験することはできません。人力による手漕ぎのため、すべてを通して行うと5〜6時間かかり、疲労や飽きが出る可能性があります。複数のセクションに分けてチケットを購入し、区間ごとに乗り換えるスタイルになっています。

遇龍河でサイクリングを楽しもう

遇龍河の田園地帯を走るカラフルなサイドカー付きバイク

遇龍河(ユーロンホー)は、レンタサイクルや電動バイクでのサイクリングにぴったりのエリアです。宿泊しているホテルのオーナーや、街中の小さなお店でも気軽にレンタルでき、料金もほぼ同じです。 目安として、普通の自転車が1日15元、マウンテンバイクは30元、二人乗り電動バイクも30元/日、三人乗りのサイドカータイプは3時間88元です。

  • おすすめサイクリングルート(無料):西街スタート → 工農橋 → 遇龍水韻 → 駥馬碼頭 → 双流義渡亭 → 一尺稻田カフェ → 夏棠碼頭裏の橋 → 橋を渡って対岸の川沿いの小道をライド → 遇龍橋 → 富里橋 → 西街へ戻る
  • 所要時間: 約4~5時間、走行距離は30km程度
  • 人気の撮影スポット:
    • 工農橋:橋の両岸の景色は抜群。ただし橋の上での駐車は禁止なので、川沿いに停めて歩いて渡りましょう。
    • 遇龍水韻:案内板をたどって川辺に降りると、農業用の古い水車があります。右手には菜の花畑もあり、絶好のフォトスポットです。
    • 駥馬碼頭:遇龍河で一番美しい遊歩道の起点。ミニ列車や花畑があり、ここからは田んぼの小道を抜ける心地よいライドが始まります。
    • 双流義渡亭:SNSでも話題の遊歩道。3〜4月は菜の花、6〜10月は黄金色の稲田が広がり、癒される景色が満喫できます。
    • 一尺稻田カフェ:川沿いから主道へ戻る途中にあるおしゃれなカフェ。周囲の風景が美しく、撮影にも最適です。
    • 夏棠碼頭裏の橋:この橋からは川の風景がきれいに見えます。橋を渡ったらすぐ右に折れて川沿いの小道を進みましょう。
    • 川沿いの小道:道中には柑橘、栗、綿花などの畑が広がっており、のどかで美しい風景が続きます。
    • 遇龍橋:歴史のある古橋で、写真映えも抜群です。
    • 富里橋:やや遠くにありますが、遇龍河で一番美しいと個人的に思う古橋です。
    • 帰路(田舎道):地元の栗林が広がり、ちょうど栗の実が実っている季節ならとても可愛らしい景色が見られます。

遇龍河でのハイキング体験

古い石橋が遇龍河に映る 絶景のウォーキングスポット

遇龍河エリアにある「十里画廊(じゅうりがろう)」は、風景画のような美しさで知られています。サイクリングと徒歩ではまったく異なる視点で楽しめるのが魅力です!

  • おすすめハイキングコース:
    • 西街のホテルからタクシーで工農橋へ。橋の上から絶景を撮影。ここから十里画廊エリアがスタートします。
    • 工農橋の総合碼頭から景区シャトルバスで水厄底碼頭へ(10元/人)。
    • 下車後、遊歩道を歩いて「水稻田度假酒店・雲朵coffee」へ。全長2.6km、徒歩で約40分。道中にはSNSで話題のスポットが多く、写真を撮りながら進むのであっという間です。
    • 雲朵coffeeに到着したら、稲田の広がる風景を前に一休み。知名度は高くないため、静かで落ち着けます。
    • そのまま駥馬碼頭へ向かい、徒歩約10分で到着。
    • 駥馬碼頭から夏棠碼頭までは3.6km。希望すればシャトルバスで移動可能。
    • 夏棠碼頭から「村上春樹」まで徒歩500m、約8分。
    • さらに「村上春樹」から「一尺稻田カフェ」まで徒歩460m、約8分。
    • 一尺稻田カフェで最後に一休みし、タクシーで西街に戻る(約20分、料金は15元程度)。
  • 虫よけ対策は必須!川沿いは蚊が多いため、虫よけスプレーやハーブクリームを忘れずに。
  • 日焼け対策こそ最重要!高SPFの日焼け止め、大きめのつば付き帽子、日傘、アームカバー、サングラスなど、物理的な日焼け対策を強くおすすめします。

遇龍河周辺のおすすめグルメ

遇龍河(ユーロンホー)の各碼頭の近くには、たくさんのレストランがあります。基本的に、竹筏体験の前後に食事を取る方が多いですが、あまり食べすぎないように注意しましょう。筏の上で水に落ちたら大変ですからね。

水厄底人家

遇龍河水厄底で食べるローカルのスパイシー鶏鍋料理
  • おすすめポイント:水厄底碼頭のすぐ近くにあり、とても便利。名物のビール魚(ビールで煮込んだ淡水魚)は、身が柔らかくて風味豊か。さらに、ピリ辛の土鍋鶏も人気で、鶏肉にしっかり味が染み込んでいてジューシーです。
  • 住所:中国広西チワン族自治区桂林市陽朔県水厄底碼頭北側270メートル (Appleマップ / Amap)
  • 営業時間:月〜日 09:30〜22:30
  • 平均予算:約53元/人

遇龍河周辺のおすすめホテル

遇龍河エリアにはホテルの数があまり多くないため、西街の歩行者通り近くに泊まるのがおすすめです。各碼頭にもアクセスしやすく、レンタサイクル店などの選択肢も豊富です。

地球村青山雲舍(陽朔西通り灕江)

地球村青山雲舍(陽朔西通り灕江)
  • 交通:西街から徒歩8分
  • 1泊の料金目安:358 CNY(約7,750円)
  • 予約サイト:Trip.com特別価格
  • 評価:Trip 9.8点
  • 特別なニーズ:洗濯室、キッズプレイエリア、3人部屋

ホテルの立地は抜群で、西街のすぐ近く。フロントには日焼け止めや虫除けスプレー、スキンケア用品なども用意されており、気配りが嬉しい。

部屋が広く、シャワーとトイレも完全分離。エアコンの効きも良く、室温は常に快適。セルフのコーヒーマシンや軽食もあり、コスパは非常に高いと感じた。

漓岸璞閒文旅ホテル(陽朔西通り灕江)

漓岸璞閒文旅ホテル(陽朔西通り灕江)
  • 交通:西街から徒歩5分
  • 1泊の料金目安:528 CNY(約11,430円)
  • 予約サイト:Trip.com特別価格
  • 評価:Trip 9.7点
  • 特別なニーズ:洗濯室、キッズエリア、ジム、3人部屋

ホテルの立地は最高。龍頭子碼頭を出てすぐ、展望デッキから見える川の景色はまさに絶景。4階のカフェ&レストランは、アフタヌーンティーでもコーヒーでも満足できる雰囲気。近くには小学校や陽朔県庁舎もあります。

設備の細かいところまで配慮が行き届いており、寝具も清潔で快適。スタッフの対応もとても丁寧で、朝食もバリエーションが多くて美味しいです。

沐心山宿ホテル(陽朔西通り灕江)

沐心山宿ホテル(陽朔西通り灕江)
  • 交通:西街から徒歩8分
  • 1泊の料金目安:575 CNY(約12,450円)
  • 予約サイト:Trip.com特別価格
  • 評価:Trip 9.6点
  • 特別なニーズ:洗濯室、屋外プール、3人部屋、4人部屋

西街に近く、繁華街の中にありながらも静かに過ごせる立地。街歩きにも食べ歩きにも便利で、夜はライトアップされた街並みが美しい。

部屋は広々としており、とても快適。清掃も丁寧で、清潔感抜群。設備も新しく、トイレには最新のスマート機能付きでとても便利でした。


桂林市内から遇龍河へのアクセス方法

最もおすすめなのは高速鉄道(高鉄)でのアクセスです。これが多くの旅行者が選ぶスタイルでもあり、桂林駅・桂林北駅・桂林西駅から陽朔駅まで約30〜40分で到着します。なかでも、市内中心部にある「桂林駅」から出発するのが一番便利です。陽朔駅に到着した後は、タクシーで約20分、またはバスで西街の歩行者通りまで行くことができます。


よくある質問

荷物の預け場所は?

遇龍河の碼頭周辺には荷物預かり所があまり多くありません。自転車をレンタルするお店などに預けるのが現実的で便利です。