こんにちは、中国出身の旅行者 Michael Zhang です。文化と歴史を愛し、これまで世界中を旅してきましたが、やはり心惹かれるのは中国の古鎮です。旅を重ねる中で、静かに歩きながらその土地の歴史や風情をじっくり味わえる場所が特に好きです——そして周荘(しゅうそう)は、まさにそんな水郷古鎮の代表格です。このコラムでは、周荘の魅力を深掘りしながら、私自身の深旅の経験をもとに、現地で本当に役立つ観光アドバイスをお届けします。
目次
周荘について
周荘古鎮は蘇州市の南東、昆山・呉江・上海の三地域が接する場所に位置します。古鎮全体の面積は38.96平方キロメートル、水域は18.16平方キロメートルにも及びます。周荘の起源は春秋戦国時代にまで遡り、かつては呉王の子・搖(よう)や越王の封地とされていました。町全体は川に囲まれ、川沿いに街並みが広がり、水の上に市場が形成されるという独自の構造を持っています。主な見どころには、富安橋、双橋、沈廳などがあり、元・明・清の各時代に造られた14の古石橋も井の字状の水路に沿って今なお美しく残っています。周荘古鎮はユネスコ世界文化遺産候補地であり、中国国家5A級観光地にも認定されています。その美しさから「世界で最も美しい10の小鎮」の一つにも数えられています。
- 住所:蘇州市昆山市周荘鎮全福路43号 (Appleマップ / Amap)
- 営業時間:24時間(ただし入場ゲートでのチケット確認は8:00~17:00)
- 所要時間の目安:4〜6時間
- ベストシーズン:春(3〜5月)・秋(9〜10月)
- チケット料金:100元 ※注:朝7時前または夜9時以降(係員不在の時間帯)に入場すれば、チケットは不要になる場合があります。
- チケット購入:Trip.com割引

周荘マップ

みんなが周荘に行きたがる理由って?
悠久の歴史と深い文化の薫り
周荘の歴史は春秋戦国時代に始まり、およそ千年に及びます。町は四方を川に囲まれ、河川の上に成り立った街として、水に沿って道路や市場が自然に形成されました。これが江南水郷特有の風景です。町内には明・清時代の建築が多く残されており、代表的なものに沈廳や張廳があります。これらの邸宅建築は、当時の社会生活や経済状況を反映しつつ、周荘の歴史そのものを物語ってくれます。
ここでしかできない体験が待っている
周荘は、保存状態の良い古建築に加え、伝統的な文化体験も豊富です。例えば、早朝5時に訪れれば、双橋の石段に残る明代商人の踏み跡を目にすることができます。また、夜になれば貞豊橋では幻想的なライトショーが開催され、沈廳では伝統芸能「船拳(ふなけん)」のパフォーマンスを見ることもできます。さらに、周荘名物の万三蹄(ワンサンの煮豚)は、訪れるなら必ず味わっておきたい絶品グルメの一つです。
周荘でできること・見どころガイド
主要観光スポット
双橋(そうきょう)
「周荘の名刺」とも称される双橋は、世徳橋と永安橋の2つの橋で構成されており、1つは石造アーチ橋、もう1つは石梁橋です。十字型に交わる水路の上にかかっており、橋全体の形が鍵に似ていることから「鍵橋」とも呼ばれています。著名な画家・陳逸飛がこの橋をモチーフに『故郷の回想』という作品を描いたことで、世界的に有名になりました。写真スポットとしても人気の場所で、水郷ならではの情緒と歴史的な趣を感じることができます。

沈廳(しんてい)
沈廳は明末から清初にかけて活躍した大商人・沈万三の子孫が建てた邸宅で、江南エリアでも最も保存状態の良い明代の私邸の一つです。内部はメインホール、書斎、奥の居住スペースなどに分かれ、彫刻が施された梁や柱、絵画のある天井、洗練された設計が際立ちます。特に木製の窓枠やホールのレイアウトからは、江南建築の優雅な様式と家族文化がしっかりと伝わってきます。歩いて回るだけで、まるで数百年前の豪商の生活風景の中に紛れ込んだかのような気分になります。

張廳(ちょうてい)
張廳は別名「玉堂富貴」と呼ばれ、清代の官僚であった張家によって建てられました。沈廳の壮大さに比べると、張廳はより繊細で落ち着いた雰囲気を持っています。入り組んだ回廊や、小橋と水流が織りなす中庭のレイアウトからは、小規模な家屋に宿るやさしさと上品さがにじみ出ています。館内には当時使われていた家具や生活道具も多く残されており、濃厚な生活感と懐かしい趣を感じることができます。

周荘博物館
周荘の歴史や文化をより深く知りたいなら、周荘博物館は絶対に外せないスポットです。館内には歴史的な文物や民俗資料が豊富に展示されており、周荘の発展の流れや地域信仰、婚礼文化、水郷の暮らしなどを体系的に紹介しています。文化に興味がある方はもちろん、子連れのファミリー旅行にもぴったりな学びの場です。旅の文化的な厚みを加えるには最適な場所です。

『只此周荘』劇場
この舞台は、水郷文化と舞台芸術が融合した没入型パフォーマンスで、ダンスや光、音響、映像といった現代技術を駆使して「水・郷愁・伝承」をテーマにした物語を描いています。『只此周荘』は単なるショーではなく、周荘の魂を芸術として体現した作品です。夜が更けて劇場に座り、水の音と音楽が交錯する中に身を置くと、まるで古鎮全体が静かに呼吸しているような感覚になります。
- 料金:280元
- 公演時間:80分
- チケット購入:Trip.com割引

周荘のチケットガイド
無料で入場する方法
多くの旅行ブログで「無料で周荘に入れる方法」が紹介されていますが(子供や高齢者の無料対象とは異なる方法です)、ここでその理由と仕組みを明確にご紹介します。
- 無料で入る条件:周荘の入口に係員がいない時間に入場すること。具体的には、朝の検票時間前(7時以前が目安)、または夜の検票終了後(21時以降が安全)に入ることで、チケット不要になります。
- 周荘内の宿泊施設に泊まれば無料?:それは施設次第です。宿泊料金にチケット代が含まれていれば無料ですが、含まれていない場合は別途購入が必要になります。
- 周荘内に宿泊していて、町を出て再入場する場合は?:チェックは必要です。ただし既にチケットを購入している場合、観光案内所で登録をすれば3日間は何度でも出入り自由になります。
周荘のチケット料金
- 一般:100元。全額のチケット(100元)を購入するには現地で購入する必要があります。現在は一度全額を支払えば、終身無料で周荘に入れる制度があり、リピーターには嬉しい特典です。
- 子供/学生:50元。6歳~18歳未満の未成年、または大学生(学部レベル)までの学生が対象。
- 高齢者:50元。対象は60〜70歳の方。
- 無料対象者:70歳以上、身長1.4m以下の子供、6歳以下の幼児。
チケット購入方法
- オンライン:公式WeChatや予約プラットフォーム
- チケット購入:Trip.com割引
- 現地:チケット売り場。特に全額チケット(100元)を購入する場合は、現地で買って終身入場特典を登録するのがおすすめです。オンライン割引も事前にチェックしましょう。
おすすめの周荘散策ルート
おすすめの周荘観光ルート(3〜4時間で主要スポットを回れる):古牌楼入口 → 照壁 → 逸飛之家/古戯台 → 双橋 → 張廳 → 富安橋 → 沈廳 → 南湖秋月園 → 全福講寺 → 迷楼 → 澄虚道院 → 周荘博物館
- 双橋:陳逸飛がこの橋を描いたことで周荘の知名度が一気に広がりました。双橋は石造のアーチ橋(世徳橋)と梁橋(永安橋)で構成されており、明代の万暦年間に建設されました。一つは横、一つは縦に架かり、橋の下は方形と円形のアーチで、まるで昔の鍵のような形をしています。町の北東部では清らかな銀子浜と南北市河が十字に交差し、そこに石橋が並んで架かっている光景はとても美しいものです。
- 沈廳:周荘を代表する建築。沈万三の子孫・沈本仁が建てたもので、「七つの棟と五つの門からなる彫刻入りの邸宅」を歩き、「聚宝盆」に触れて沈万三の財運をいただくことができます。沈万三はかつて「国を買えるほどの富豪」とも言われ、庶民の間では財神として親しまれています。
- 張廳:「正門から輿で入り、自宅の中庭には船が通る」という昔の富豪ならではの暮らしが体験できます。張廳は明代の建築で、周荘に残る数少ない歴史的な邸宅の一つです。元は明代の武将・徐達の弟・徐逵の子孫が建て、その後に張家が買い取ったことから「張廳」と呼ばれています。
周荘周辺のおすすめグルメ
鑫震源・蘇式大エビ焼き小籠包(周荘店)

- おすすめ理由:蘇州旅行で絶対に外せない人気店。おすすめメニューは、桂花入りあんこ団子、卵汁ソース大排(とんかつ)、煮込み風鶏足(虎皮鶏爪)です。
- 住所:蘇州市昆山市周荘古鎮風景区中市街8号楼 (Appleマップ / Amap)
- 営業時間:毎日 07:00~22:00
- 平均予算:41元
煙雨人家・農家風家庭料理(周荘店)

- おすすめ理由:地元民が営む10年以上続く老舗。看板料理は万三蹄(ワンサン煮豚)で、やわらかく煮込まれた豚肉の甘辛い味が絶品。骨までしゃぶりたくなるおいしさ。
- 住所:蘇州市昆山市梅花弄6号1号房 (Appleマップ / Amap)
- 営業時間:毎日 10:00~22:00
- 平均予算:78元
周荘周辺のおすすめホテル
周荘古鎮内は車の乗り入れが禁止されているため、スーツケースなどを持っている場合は、徒歩でホテルまで移動する必要があります。少々不便に感じるかもしれませんが、それでも私は古鎮内に宿泊することを強くおすすめします。理由は、多くの観光客が夜9時頃には立ち去るため、夜になるとライトアップされた古鎮がとても静かで幻想的な雰囲気を楽しめるからです。宿泊費が高いと感じる方でも、入場ゲートのチェックが終了した夜間に入場すれば100元のチケット代が節約できるという利点もあります。
周荘隠江南徐家民宿

- 交通:双橋から徒歩2分
- 1泊の料金目安:212 CNY(約4,452円)
- 予約サイト:Trip.com特別価格
- 評価:Trip 9.8点
- 特別なニーズ:ランドリー、ファミリールーム、4人部屋
周荘古鎮の中に位置し、営業歴10年以上の老舗民宿。双橋までは徒歩2分で、コストパフォーマンスも非常に高い。
中庭やロビー、客室に至るまで古風なデザインで統一されており、空間の使い方が巧み。清潔感も抜群で、観光にも便利な立地。
沐瀾・晩晴古風ガーデン美宿

- 交通:沈廳から徒歩2分
- 1泊の料金目安:278 CNY(約5,838円)
- 予約サイト:Trip.com特別価格
- 評価:Trip 9.7点
- 特別なニーズ:ファミリールーム、4人部屋
周荘古鎮の中にあり、非常に美しく、清潔感のある宿泊施設。美しいガーデン付き。
部屋は広くて快適。アメニティも充実しており、衛生状態も非常に良好。
Zhouzhuang SCHOLARS BOUTIQUE Hotel

- 交通:周荘博物館から徒歩2分
- 1泊の料金目安:689 CNY(約14,466円)
- 予約サイト:Trip.com特別価格
- 評価:Trip 9.6点
- 特別なニーズ:ランドリー、ファミリールーム
古鎮の正門から入って右折するとすぐにあり、周荘博物館の隣という便利なロケーション。石畳の多い古鎮では、スーツケースを引いて移動するのに最適。
全体的に非常にハイクオリティなホテルで、広い敷地の中に園林建築が広がる。漢服での撮影を楽しむ人も多く、部屋は静かで清潔、快適そのもの。
蘇州市内から周荘への行き方
現在、蘇州から周荘までの直通地下鉄は存在しません。そのため、移動手段はタクシーまたはバスが主となります。蘇州市内から周荘までタクシーで直行すると約120元とやや高額ですが、3人以上で移動する場合はタクシーの方が便利です。1〜2人での移動なら、蘇州駅北広場から発車する観光バスの利用がおすすめです。
観光バス
蘇州駅北広場バスターミナルから、公式チケット付きのビジネスバスが周荘まで直行しています。料金は49元、所要時間は約1時間。ただし、3人以上ならタクシーの方が安くなることもあるため、人数に応じて選ぶのがよいでしょう。
- ※目的地は「周荘古鎮」と明記しましょう。「観光センター」を選ぶと、実際の入口から1km以上離れています。
地下鉄+配車アプリ
市内から地下鉄4号線に乗り、「同里」駅で下車(地下鉄料金約7元)。その後、配車アプリなどでタクシーを呼び、周荘まで移動(約40元)。所要時間は合計2時間ほど。 ※この方法は、夜遅くに周荘に到着する場合に特におすすめ。バスは早く運行を終了するためです。
タクシー/配車サービス
蘇州市中心からタクシーで周荘へ直行する場合、料金は約120元、所要時間は1時間ほど。3人以上なら迷わずタクシーでOKです。
上海市内から周荘への行き方
周荘は上海からおよそ70km離れており、距離的にはやや遠めです。地下鉄+バスを使ったルートでは約3時間かかり(費用は11元程度)、時間に余裕がある人には選択肢となりますが、おすすめは高鉄(新幹線)+タクシーの組み合わせです。
まず、上海虹橋駅から列車に乗り、「蘇州南」駅で下車(所要約30分、料金36元)。そこからタクシーで周荘へ向かえば(約20元)、合計約1時間で到着できます。
- 区間:Shanghai Hongqiao – Suzhounan
- 鉄道チケット予約:查看価格
よくある質問
可能ですが、石畳や凸凹道が多いため、操作にはかなりの体力を要します。完全なバリアフリーではない点に注意が必要です。
はい、チケットを提示すれば観光案内所で無料で荷物を預けることができます。受付時間は20:30までで、大きなスーツケースにも対応しています。
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