こんにちは、Michael Zhangと申します。これまで五大陸を旅し、数十か国を深く訪ね歩いた中国の旅行愛好家です。観光スポットでの「映え写真」よりも、訪れる土地の歴史や文化の背景を探ることに情熱を持っています。今回ご紹介するのは、中国を代表する世界文化遺産のひとつ「八達嶺長城」です。観光地としてだけでなく、何千年もの歴史に触れることができる特別な場所です。初めて訪れる方にも、再訪する方にも、このガイドがあなたの旅の参考になれば幸いです。



八達嶺長城について

八達嶺長城は、中国古代の偉大な防御構造である万里長城の重要な一部であり、明代の長城の中でも特に象徴的な区間にあたります。かつては居庸関の前哨として機能し、「居庸の険は関にあらず、八達嶺にあり」と称されたほどの要地でした。この八達嶺の区間は「玉関の天険」とも呼ばれています。1991年にはユネスコの「世界文化遺産」に登録されており、中国の国家AAAAA級観光地にも指定されています。

  • 住所:北京市延慶区G6京蔵高速58号出口(Appleマップ / Amap
  • 営業時間:
    • 繁忙期(4月~10月):毎日6:30~16:30
    • 閑散期(11月~翌年3月):毎日7:30~16:00
  • 推奨見学時間:3~5時間
  • 観光に適した季節:オールシーズン
  • チケット料金:40元
  • チケット購入:Trip.com割引Klook特価KKdayお得情報
青空の下に広がる八達嶺長城の壮大な景色

八達嶺長城マップ

八達嶺長城観光マップ 全体ルート案内付き

みんなが 八達嶺長城に行きたがる理由って?

歴史を肌で感じる場所

八達嶺長城は万里の長城の中でも象徴的な存在であり、中国民族の誇りとも言える存在です。紀元前から要衝として使われ、秦の始皇帝、元の太祖、明代の皇帝たちなど、多くの歴史的人物がこの地を通過しています。

四季折々の絶景が楽しめる自然景観

春・夏・秋の季節は特におすすめです。春は新緑が美しく、平均気温10~20℃と快適で、ハイキングにもぴったり。夏は青空に映える長城が一層雄大に見え、夜になるとライトアップされて幻想的な雰囲気に包まれます。秋は紅葉が見頃を迎え、色とりどりの景観が山全体を彩ります。


八達嶺長城でできること・見どころガイド

主な見どころ

好漢碑

「長城に至らずんば好漢にあらず」という有名な言葉が刻まれた石碑で、八達嶺長城の代表的なシンボルです。北四楼と南一楼にあり、訪問者が重要地点に到達した証として記念撮影する定番スポットです。この言葉は1935年に毛沢東が初めて述べたもので、今や多くの旅行者にとって精神的な目標にもなっています。

八達嶺長城の好漢碑 毛沢東の言葉が刻まれる石碑

好漢石

好漢石は、北4楼と北5楼の間の急な坂道にある巨大な天然岩です。「好漢石」という赤い文字が刻まれており、険しい区間を登りきった者のみがその称号を得るにふさわしいという伝説があります。今では勇気の象徴として、多くの観光客が記念撮影をしています。

八達嶺長城の好漢石 勇者のみが辿り着ける名所

好漢坡

このルートは八達嶺長城の中でも最も傾斜が急で階段も高く、体力勝負の挑戦エリアとして知られています。下から見上げると、まるで龍が山に沿って這っているかのような迫力。頂上にたどり着いて振り返れば、山と長城が織りなす壮大なパノラマが広がります。

八達嶺長城の好漢坡 急勾配の階段ルート

八達嶺長城のチケット情報

八達嶺長城には入場券のほか、ケーブルカー、ロープウェイ、スライダーなどの移動手段もあり、初めて訪れる人には少し複雑に感じられるかもしれません。以下に詳細をまとめました。

  • ロープウェイ:片道100元。現地で購入可能。滾天溝駐車場近くの地上駅から北7楼へ、完全密閉式のキャビンで約8分。ルートによってはロープウェイとケーブルカーは共通です。
  • ケーブルカー:片道100元。商業エリア近くの地上駅から南4楼へ、120人乗りのパノラマ天窓付き車両で約6分。
  • スライダー:片道80元。北4楼から熊楽園付近の地上駅まで。下り2分、上り10分。なお、慕田峪長城のスライダーとはまったく違うタイプなので、無理に試す必要はありません。

八達嶺長城のチケット価格

  • 入場時間帯:午前(6:30~12:30)/午後(12:31~16:30)
  • 大人:40元
  • 無料:18歳未満の子供と60歳以上の高齢者(身分証提示必須)

チケット購入方法


八達嶺長城おすすめ観光ルート

八達嶺長城は南側と北側に分かれており、南側は1〜7楼まで、北側は1〜12楼まで開放されています。一般的に観光客は北側を中心に訪れます。南側は見どころが少なく、坂も緩やかなため、基本的には北側がおすすめです。

  • 南側:1〜4楼は緩やかな坂で、4楼が南側の最高点。5〜7楼はやや急な階段があるものの、全体的にお年寄りや子供にも優しい設計です。南1〜南7は片道約1〜1.5時間。
  • 北側:1〜4楼までは緩やかですが、7楼の好漢坡から体力が必要になります。8楼が北側の最高地点で、8〜12楼はアップダウンが激しく、階段も急です。北1〜北12の片道は約3〜4時間。

北側おすすめルート:

  • 完全徒歩ルート(最も充実した体験):登城入口→北1→北7(好漢坡)→北8(最高点)→北11→前山駐車場へ下山
  • 家族連れ向けルート:後山の滾天溝駐車場→空中ケーブルカーで上がる→北7→北8→好きな範囲で観光→北7に戻りケーブルカーで下山→駐車場へ
  • 徒歩+ケーブルカー下山ルート:登城入口→北1→北7→北8→北7に戻ってケーブルカーで下山→乗車地点へ。北8〜北11の急坂を避けつつ、登山の達成感も得られるルートです。

八達嶺長城周辺のおすすめグルメ

八達嶺歩行街には多くの飲食店が並んでおり、食事場所に困ることはありません。ここでは特におすすめの店舗をいくつか紹介します。

八達嶺フードプラザ

八達嶺美食広場 長城周辺のグルメスポット
  • おすすめ理由:各種スナックからしっかりした食事まで揃っており、迷ったときはここへ行けば間違いなし。
  • 住所:北京市延慶区長城西路三幢(Appleマップ/Amap
  • 営業時間:毎日 09:00〜17:00
  • 平均予算:39元

慶豊包子舗(八達嶺2号店)

八達嶺の慶豊包子舗 北京名物の肉まん店
  • おすすめ理由:北京名物の包子(中華まん)が味わえる有名チェーン。作りたての包子が絶品。
  • 住所:北京市延慶区G6京蔵高速58号出口 八達嶺長城内(Appleマップ/Amap
  • 営業時間:毎日 08:00〜18:00
  • 平均予算:27元

ケンタッキー(八達嶺歩行街店)

八達嶺KFC ハンバーガーのファーストフード店
  • おすすめ理由:全国チェーンの安心感があり、時間がないときはテイクアウトにも便利。
  • 住所:北京市延慶区G6京蔵高速(Appleマップ/Amap
  • 営業時間:毎日 09:30〜16:30
  • 平均予算:45元

北京市内から八達嶺長城へのアクセス方法

最もおすすめの移動手段は鉄道です。所要時間が短く、乗り心地も良く、料金も手頃です。もし往復の鉄道チケットが取れなかった場合は、現地でチケットを購入できる観光バスもおすすめです。節約したいなら、最も安い方法である路線バスが良いでしょう。乗車場所は北京市内中心部にあります。

鉄道

北京市内には出発できる駅が2つあり、北京北駅と清河駅から八達嶺長城駅へ向かいます(※「八達嶺駅」ではないので間違えないように)。片道の料金は約30元で、所要時間は30〜40分です。交通手段の中でも最も快適な方法とされています。特に帰りの列車は事前予約が必須で、遅く予約するとチケットがなくなり、他の交通手段を使うことになります。また、八達嶺長城駅では出発の12分前に改札が締まるので、必ず早めに到着してください。

S2線(郊外鉄道)

北京メトロに似たスタイルで、片道7元、所要時間約1時間。ただし、出発駅は黄土店駅で、北京市内中心部から少し離れています。市内からの直行交通機関はバスのみなので、タクシーで黄土店駅まで向かうのがおすすめです。S2線は1日の本数が限られているため、スケジュールが合えば検討してみてください。

路線バス

877路のバスは、八達嶺長城観光用に設けられた郊外バスで、德勝門バスターミナルから乗車します。行きは6:30~12:30に運行、帰りは11:00~16:30です。大人の運賃は12元で、所要時間は1.5〜2時間。最も安い手段ですが、時間がかかる点がデメリットです。

観光バス

前門大街から乗降可能で、現地でチケットを購入して乗車します。バスは八達嶺の入場ゲートまで直行し、往復80元、所要時間は約1時間30分。バスは路線バスより快適で、乗車場所も北京市内中心部にあるため便利です。

  • 出発場所:北京市東城区 正陽門箭楼南門西50メートル(Appleマップ/Amap)
  • 運行時間:行き 8:00〜10:00、帰り 13:00〜16:00

北京首都空港から八達嶺長城へのアクセス方法

北京首都空港から八達嶺長城までの直行手段はなく、まず北京市内に向かってから公共交通機関に乗り換える必要があります。滞在時間が短い方は、配車アプリやタクシーの利用が最も効率的です。

タクシー/配車アプリ(網約車)

北京首都空港からタクシーまたは配車アプリで直接八達嶺長城まで行くのが最も便利です。片道の料金は約260〜300元、所要時間は約1時間。

地下鉄+観光バス

空港から空港線で東直門駅へ、そこから2号線に乗り換えて前門駅で下車。運賃は29元。観光バスは前門大街から出発し、チケットは現地で購入可能。八達嶺の入場ゲートまで直行します。往復料金は80元で、さらに入場口まで直接行けるため、別途15元のシャトルバス代も節約できます。なお、観光バス内でもチケットが販売されていますが、すでに購入済みの場合は不要です。

  • 出発場所:北京市東城区 正陽門箭楼南門西50メートル(Appleマップ/Amap)
  • 運行時間:行き 8:00〜10:00、帰り 13:00〜16:00

空港バス+観光バス

首都空港から空港バス(北京西駅線)で前門東まで移動(30元)。前門大街から観光バスに乗車し、八達嶺の入場口まで直行します。料金は往復80元で、シャトルバス代(15元)も不要です。観光バス車内でのチケット販売もありますが、事前購入済みの場合は買う必要はありません。

  • 出発場所:北京市東城区 正陽門箭楼南門西50メートル(Appleマップ/Amap)
  • 運行時間:行き 8:00〜10:00、帰り 13:00〜16:00

北京大興空港から八達嶺長城へのアクセス方法

北京大興空港から八達嶺長城までの直行ルートはありません。おすすめは、まず地下鉄で市内へ移動し、そこから観光バスを利用する方法です。

地下鉄+観光バス

大興空港線で草橋駅へ向かい、そこで19号線に乗り換え景風門駅へ。その後、14号線に乗って永定門外駅、最終的に8号線で前門駅まで行きます。合計運賃は39元。前門大街から観光バスに乗車し、八達嶺の入場口まで直行します。料金は往復80元で、シャトルバス代(往復15元)も不要です。観光バス内でチケットが販売されますが、事前購入していれば再購入は不要です。

  • 出発場所:北京市東城区 正陽門箭楼南門西50メートル(Appleマップ/Amap)
  • 運行時間:行き 8:00〜10:00、帰り 13:00〜16:00

よくある質問

八達嶺長城はベビーカーや車椅子での訪問に適していますか?

適していません。長城は全体的に段差や傾斜が多く、バリアフリー対応ではないため、ベビーカーや車椅子の使用は困難です。

荷物の預かりはありますか?

八達嶺長城の入口には無料の荷物預かり所があります。大きなスーツケースも預けられるので、とても便利です。